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編集長のズボラ料理(713) エノキダケのチーズ焼き

チーズの焦がし具合に気をつけて

 最近知った大葉のチーズ焼き(編集長のズボラ料理709回)をつまみにして、ビールを飲み、テレビを見ていた。すると、エノキダケのチーズ焼きを食べていた。何!そんなチーズ焼きあるのか。
 そもそも、チーズの焦げたものが好きになったのは、スイスに行ったからだった。むかしの遍路仲間がスイスに移住し、1度だ訪ねたことがある。ちょうど彼は夏休み中で、いわゆる名所ではなく普通の暮らしと遊びを案内してくれた。
 住んでいるのはドイツ語圏で、特段の名物料理があるわけではない。その中で印象に残ったのは、チーズ料理だった。彼は自宅で、ラクレットを作ってくれた。わざわざ器具を借りてきて。チーズを溶かしてジャガイモに垂らして食べる。単純だが、結構いけるので、ガバガバ食べた。
 自宅でもやってみようと思い、大阪市・梅田の阪神百貨店でラクレットチーズを探すと、これが結構高い。スイスでは食べ過ぎた感があるが、知らなかったのだから仕方がない。
 彼はアルプシュタイという山の散策に連れて行ってくれた。山小屋レストランでごちそうしてくれたのはレシュティーだった。これもチーズとジャガイモで、フライパンに押しつけながら焼く。ドイツ語圏のスイスには、チーズとジャガイモしかないのだろうが、チーズが焼けた香ばしさを知ると、ビールのつまみにはそれで十分。彼はもちろん、僕もすっかりスイス人である。                                                                                                               
 レシュティーは簡単そうだだから、自宅で何度か作った。こうして、焦げたチーズファンになり、やがて大葉のチーズ焼きへとつながっていった。
 エノキダケのチーズ焼きは、その延長のようなもんだ。テレビは作り方を説明していたようだが、そんなもの見なくてもわかる。何せ、僕はスイス仕込みのチーズ派だから、スイスイできる。
 エノキダケは石づきを切り取り、ほぐしておく。少ししょうゆと蜂蜜を垂らしてよく混ぜる。さらんい小麦粉を振る。フライパンにほんの少し油をひき、エノキダケを炒める、火が通ったら小分けにしてフライパンに並べ、その上にとろけるチーズを乗せ、溶けてたらひっくり返し、チーズを焦がす。簡単、簡単。
 そう思ったのだが、いまひとつ納得がいかない。チーズのパリパリが柔らかいのだ。エノキダケから水分が出るのだろう。それはそれでいいのだが……。
 スイスの彼が日本に里帰りし、遍路仲間で家で歓迎会をした。そこで、満を持して大葉のチーズ焼きを作った。ところが彼は全然口にしない。別のメンバーが作った日本の煮物ばかり食べる。スイス人になりきったと思っていたが、日本人のままやないか。(梶川伸)2024.02.12
 

更新日時 2024/02/12


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