編集長のズボラ料理(604) ササミの麹みそ焼き
塩麹(こうじ)は一時期、大はやりだった。僕もそんな流れ乗って、数回買ってみた。
もちろん、肉料理には、何度か使った。安い肉が値段の高い肉に早変わりするという触れ込みだから、わざわざ安い肉を買って、塩麹に漬けてから調理した。と言えば聞こえがいいが、実際には「わざわざ安い肉」ではなく、「いつも安い肉」だから、塩麹を使うことに「わざわざ性」は全くない。
では、味が変わったのか。味オンチだからはっきりしないが、変わったように思う。結局は気分の問題なのだが、これが大事だ。僕の場合、「味が良くなるはず」は、「味が良くなった」と同意語に近い。
グルメの友人から、焼酎(しょうちゅう)を入れておく陶器製のボトルをもらったことがある。しばらく入れておくと、味のランクが上がるのだという。これはありがたい。
高い焼酎をボトルに入れても意味がない。もともと、おいしいからだ。そこで、紙パック入りのものに落ち着く。実際には、以前から紙パックだったので、魔法のボトルへの移行はスムースだった。以来、一層力強く、恥じることなく、自信を持って、堂々と紙パックの道にまい進している。
一方、塩麹の方は飽きが来て、あまり使わなくなった。ところが……。
福岡県田川郡添田町のヒシミツ醤油が、神戸市・三宮にいくつかレストランを開いている。そのうちの1つの店で、ランチを食べた。
メーン料理は4つの中から選ぶ。その中に、九州産薩摩茶美豚バラ肉の塩麹しょうが焼きがあった。これはいるる。考えてみれば、まだ冷蔵庫の中に塩麹が残っているはず。帰宅してそれを確認し、かくて塩麹は我が家で脚光を浴びることになった。
それだけではない。テレビ番組で紹介されていたので、大阪市・南船場の店「potto」で、自家製ミートソースのスパゲッティを食べた、891円。それにパンとサラダで291円。ビールが案外安くて291円。
ミートソースは千本筋という部位を使っているそうで、何と麹(こうじ)やヨーグルトも使っているらしい。
考えてみれば、冷蔵庫の塩麹はk再び脚光を浴びただけで、まだ使ってはいない。そこで、完全復活させることにした。
鶏のササミを用意する。塩麹とみそを混ぜ、ササミに塗り、ビニール袋に入れてもみ込む。しばらく置いくと魔法がかかるので、それをオーブンで焼く。
でき上れば、それをあてに魔法の焼酎を飲む。ハリー・ポッターなみの魔法合戦。僕は魔法にかかりやすい体質かも。(梶川伸)2022.06.03
更新日時 2022/06/03