編集長のズボラ料理(598) 新タマネギのお好み焼き
新タメネギがスーパーの野菜売り場に並ぶと、茶色い古いタマネギより新タマの方を買ってしまう。白くて、少し緑がかっている爽やかな色は、いかにも春や初夏のイメージにふさわしい。冬のイメージの茶タマは手も足もデ出ない。茶タマという言い方あるわけではないが、っ時の節約もあった、勝手に使ってみた。
白と緑は初々しい。イロハモミジも新緑のころの青紅葉は、その透明感に心が洗われる。
秋の紅葉もいいが、美しさを感じるのは、遠くから逆光で見た時だけ。順近寄って順光で見ると、ただ茶色いだけである。タマネギの茶色いはまだツルツルしてて見ていられるが、紅葉の方はよくよく見えれば、ガサガサしていて、気分は全く高揚しない。自分の老いを見ているようで、悲しくなるだけだ。
新タマネギ・新タマという言い方があるなら、古タマネギという言い方があってもいいはずだ。しかし、聞いたことがない。確かに古タマは響きもイメージも良くない。そこで僕は考えた。古タマを使わないのは、年を経たものに対する思いやりではないか。
僕は間もなく、後期高齢者の仲間入りをする。このネーミングはすこぶるが評判が悪い。年寄りに対する思いやりを感じない。僕の先輩の後高、いや後期高齢者は、高貴高齢者と書き換えて、周りの人に敬うことを強要するほどだ。
では、新タマネギの反対語は何か。ネット検索をしてみると、「普通のタマネギ」と出てきた。普通すぎて、あまり面白くない。
再び、「では」ではあるが、新タマと普通タマの境目はあるのだろうか。白と茶色の中間段階がありそうなものだが、見かけることはない。収穫後、乾燥させずに出荷するのが新タマで、乾燥ささせて皮が茶色くなったものが、風通タマらしいが、完全に2つに分かれていていいのだろうか。中古車だって、新古車というものがあるのに。
新タマネギを薄いくし切りにして、ボールに入れる。ベーコンの薄切り、パン粉、オリーブオイル、塩、コショウ、パン粉、粉チーズを加え、よく混ぜる。フライパンを熱し、そこに混ぜた新タマを入れ、お好み焼きのような円形にする。フライ返しで少し押さえつけ、タマネギがくっついてきたら、引っ繰り返し、ふたをして蒸し焼きにする。最後はふたを取り、再度両面を焼く。
お好み焼き屋さんのメニューではお目にかからないが、形と作り方が少々にているので、「新タマネギのお好み焼き」としただけのこと。タマタマ思いついただけで、深い意味はない。ただ、この料理、普通タマよりは新タマの方が合うように気がする。(梶川伸)2022.05.05
更新日時 2022/05/05