このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(521) ソラマメのガーリック炒め

ソラマメは歯ごたえを残すために、ゆですぎないように注意

 僕は居酒屋さんに行くと、必ずといっていいほど枝豆を頼む。もちろん好きだからだが、もう1つ理由がある。安い。
 難儀なのは、枝豆に塩がついていることだ。右手の指で皮を押し、中の豆を口に放り込み、左手でビールのグラスを口に運ぶ。時々、塩でネチャネチャになった指をなめる。こうすれば、指もグラスもきれいなまま推移sる。
 ところが酔ってくると、ルーティーンはゴチャゴチャになる。左手で枝豆をつまみ、右手でグラスを持つこともあり、ついには左右のすべてがネチャネチャになる。
 枝豆のガーリック炒めというメニューを見つけて頼んでみた。たまには変わった枝豆の食べ方をしたかったからだ。
 運ばれてきたのを見ると、皮のままニンニクで炒めてある。これは大変だ。普通の枝豆以上に指がネチャネチャになる。それも塩に加えてニンニクなので、ネチャネチャズルズルになる。加えてプンプンも。これは1回限りで頼むのをやめた。
 イタリア料理の店でも、1回でやめたものがある。ワタリガニのパスタがそうだ。カプリチョーザのようにカニみそがソースになっているのならいいが、カニをそのまま使っているものは手に負えない。
 見かけの豪華さはある。でも、見るだけでなく、カニの実や卵も食べたくなるではないか。パスタをフォークで上品に食べなかがら、カニを手づかみしてかじらなければいけない。そんなアンバランスは料理はない。しかもたいてトマトソースなので、指が血みどろのようにベトベトになる。カニは手や足が多いから、全部をきれいにたいらげようとしても、手に負えないし、手も足も出ない。もし、手をふかずに店を出たら、殺人容疑で逮捕されるに違いない。
 似たようなものにワラリガニのキムチ「ケジャン」がある。赤いトウガラシ味でおいしそうだが、食べる勇気が出ない。手が地みどろになるどころか、もし目でもこすろうものなら、充血の十倍くらいの赤目になることは必至だ。
 枝目に近いが、ソラマメのガーリック炒めは、居酒屋さんでも安心して頼める。手はよごれないから、事件性はない。
 ソラマメはさやから外し、やや固めにゆでる。皮を外して中のみだけにするが、市に間に火が通る。フライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたニンニクを加えて熱し、ソラメメを炒める。最後に粉チーズをタップリかけてさらに軽く炒め、最後にレモン汁と黒コショウを振る。
 これは箸(はし)で食べるから、手は汚れない。若い人はポテトチップスを箸でたべるが、その要領である。豆自体はネトネトしているが、手はサラサラのままでいられる。(梶川伸)2021.07.12

更新日時 2021/07/12


関連リンク