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編集長のズボラ料理(510) サーモンのマヨネーズ蒸し

もう少し見栄えがいいようにマヨネーズをかければよかった

 マヨネーズはサラダにかけるものと、思い込んでいる時期があった。いや、サラダはマヨネーズで食べるものと思っていた。
 でも、その前はソースだったような気がする。いや、野菜にはかけていたが、そのころはサラダなどとは言わなかったかもしれない。
 サラダは葉野菜だけではない。ポテトサラダも代表格だが、これもマヨネーズだから、マヨネーズといえばサラダ専用と刷り込まれていた。
 ある時、中華料理屋さんで、エビのマヨネーズ炒めが出て、腰を抜かした。サラダだけではなかったのだ。「邪道だ」。当然の反応を示して、最初のころは手をつけなかったし、決して口にしないことを誓った。
 しかし、ほかの人は結構注文する。「エビマヨ」という略語で通用するのだから、人気メニューの1つであることには違いない。試食程度なら、誓いには反しないと勝手に解釈して、一口食べてみた。結構いける。
 遍路仲間が定期的にリーゾナブルな中華の店で集まるが、先日はついに、自らエビマヨを注文してしまった。無節操このうえない。
 店でお好み焼きを食べて、初めてマヨネーズが使われていた時も仰天した。これは邪道である。ソースの上にマヨネーズを絞る。食べる時には、ソースとマヨネーズをかき混ぜる。きちゃないではないか。
 そこで、決してお好み焼きのマヨネーズは使わないと。固い決意をした。店の人は「マヨネーズはどうしますか」と聞く。エビマヨのように有無を言わせないわけではない。その点はまだましだが、聞かれれば「いらない」と一貫して答え、ソースオンリーの王道を貫いてきた。
 大阪市・千日前のお好み焼き店「おかる」に入った。当然、マヨネーズ拒否を高らかに宣言するつもりだった。ところが周りの客はみんなマヨネーズを頼んでいる。店の人はお好み焼きができ、ソースを塗った後、マヨネーズで通天閣など大阪の名所を描いているではないか。
 僕のお好み焼きが焼き上がり、店の人が「マヨネーズはどうしますか」と聞いた。僕は高らかに言った。「お願いします」
 アルミホイルを広げ、まずはタマネギのスライスを敷く。その上にサーモンの切り身、マイタケ、皮をむいたアスパラを乗せ、塩・コショウをする。さらにマヨネーズを絞り、香りづけにしょうゆをたらし、アルミホイルを閉じて、オーブンで蒸し焼きにする。
 最近はサラダにはドレッシングが当たり前になってきた。冷蔵庫にはマヨネーズのチューブは1つしか入っていないが、ドレッシングは2つも3つも入っている。ただ、マヨラーという言葉はまだ時々聞くが、ドレラーという言葉きかない。(梶川伸)2021.06.03

更新日時 2021/06/03


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