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編集長のズボラ料理(487) ウドのからし和え

色が大切

 姫路城を見に行ったとする。すると、食べてみたくなるものが4つある。
 1つは駅ソバ。おいしいかどうかの問題ではない。中華麺(めん)に和風だしだから、ラーメンと言えばいいのか、うどんと言えばいいのか、食べながらじっくり考えるのが目的だ。
 2つ目は御座候(ござそうろう)。一般には大判焼き、回転焼きと言うが、関西では固有名詞の御座候で通る。その発祥が姫路市である。大阪でも至るところで食べられるし、自宅から歩いて1時間15分の近鉄百貨店奈良店にも店がある。それでも姫路で食べる価値があるのかどうか、じっくり考えるのが目的だ。
 3つ目は鯛焼本舗の鯛焼き。鯛焼きはどこにでもあるが、この店は客がよく並んでいる。なぜ待っているのが考えるために、じっくりと食べる。
 4つ目は、居酒屋さんのおでん。大阪に帰る前に一杯飲む時、気軽に注文できるからだ。ショウガじょうゆで食べるが、なぜそうなのかを、列車の出発時刻まで考える。
 高松市に住んでいたころ、讃岐うどんを食べに行くと、たいての店はおでんを置いていた。おでんにつける主流は、みそだれだった。
 毎日新聞の記者のたまり場、大阪市・北新地の居酒屋さん「ふ留井」は、おでんを売り物にしている。ここでは黒コショウをかけて食べるのがメーンとなっている。亡くなった旭堂南陵さんらが好みで、自分で持ってくるようになり、それが定着してしまった。
 おでんはもとは関西の田楽が発祥だという説がある。田楽はみそだれに結びつく。田楽が江戸に伝わり、それがおでんと進化した。屋台で売られ、食中毒予防にからしが使われた。今度はおでんが関西に逆輸入され、関東だきと言うようなった。
 こういった筋書きになるらしい。そして、「おでんにはからし」も定着した。
 おでんの時期が終わり、春がやって来た。そこで、春の野菜の中からウドを選び、からしを使う。
 ウドは食べやすい長さに切って、塩ゆでする。水気を切る。練りからしを白だしでのばす。それでウドを和える。ウドが白いので、それを生かし、きれいなからし色になるようにする。
 以前、東京都国分寺市に住む高校時代の友人が、地元のウドを大量に送ってくれた。いろいろに料理をしたが、色が印象に残ったのが、この料理だった。それ以来、作ったことはない。友人が送ってくれないからだ。残念ながら亡くなってしまったので、もう送られてくることはないから、買って作る。(梶川伸)2021.03.04

更新日時 2021/03/04


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