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編集長のズボラ料理(436) マッシュルームのフライ・粉チーズ味

マッシュルームのスープが流れ出ないように揚げるのは難しいが

 「フランスでは、熟れ熟れのイチジクにロックフォーのブルーチーズを塗って食べます。すっごい美味(おいしい)しいですよ」
 朝の散歩道で、イチジクを収穫している人から、出荷前のものを分けてもらったことをフェイスブックに掲載した時のことである。スイスに住む日本人の友人から、そんなコメントをもらった。僕はチーズにうといから、ロックフォーが何のことかわからない。フェイスブックを通して友人に聞くと、世界に無知をさらすことになるので、密かにインターネットで調べてみた。
ロックフォーはどうも、ロックフォールのことらしい。現地の発音と日本語のカタカナ表記とは、往々にして違う。
 2年前に友人夫妻を訪ねた際、フランス・アルザス地方のコルマーにも案内してもらった。第二次世界大戦の激戦地を見学した後、リトル・ベニスと呼ばれるメルヘンチックな街並みを散策し、夜は一流のレストランでごちそうになった。日本に帰って調べると、日本語表記はコルマールだった。
 これはコマール。いや、困る。パソコンで「こまる」と打ったら、「●」が出てきて、これもコルマールだが。
 さて、ロックフォー。イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトンとともに、世界三大ブルーチーズと呼ばれているらしい。この中で唯一、羊のミルクを原料としているとも書いてあった。
 ロックフォーかゴルゴンゾーラかわかないまま、スーパーでブルーチーズを買ってきて、さっそく出荷前のイチジクと一緒に食べた。そして、大変な事態が発生した。
 なかなか強いにおいだった。暑いので、エアコンをかけていたから、密閉されたリビングににおいが充満した。コロナ対策マスクも室内では外しているから、においはもろに鼻に突入してきた。
 家族はイチジクを食べることなく、別の部屋に避難してしまった。それから2時間、家族は戻って来ることはなかった。僕は責任を取ってひたすら食べ、鼻が機能停止するのを待った。
 今回は家族の手前、粉チーズを使う。マッシュルームの石づきを取り、小麦粉をまぶす。水で溶いた小麦粉をくぐらせ、パン粉と粉チーズを混ぜたものを衣にして、油で揚げる。皿に盛りつけ、さらに粉チーズをふる。
 ブルーチーズはまだ残っている。ラップで三重の包んで冷蔵庫の中にある。さて、次はいつテーブルに乗せるか。家族の体調がいい日にしよう。(梶川伸)2020.09.09


 

更新日時 2020/09/08


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