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編集長のズボラ料理(345) 湯むきトマトのバジルソース

トマトはもちろん、丸ごとのままでもいい

 息子は京都市に住んでいる。北山通りまで歩いて行ける場所だ。
 京都に出かけ、息子を昼ご飯に誘って軽く飲むとすると、北山通りの店の3択となる。その中から、「今日は○○」と息子が選び、そこへ行く。学生の時から全く変わらない。京都の伝統のようなものである。僕は飲めればいいので、どこでもいいといえばいいのだが、やや不満が残る。
 1つは回転ずし「むさし」。京都市内3店のチェーン店で、回転ずしだから安いし、旅行者が選んだ世界の100店に選ばれたこともあるそうだ。好きな生タコもあるし、運がよければボタンエビも回っている。
 気に入っている店だが、1つだけ不満がある。アルコール類のメニューが少ないのだ。息子はほとんど飲まずに、バクバク食べているからいいだろう。飲み物が限られているので、僕はビールを飲む。1杯目をゴクゴク飲み、2杯目に突入する。するとお腹が張って、すしの方はチビチビと食べることになる。それでは回転ずしの醍醐味がないではないか。
 2つ目は、これもチェーン店の「フォルクス」。息子はハンバーグや豚カツなど、その日によって、気が向いた洋食の組み合わせを頼む。ということは、メーンは何でもいいのだ。彼が狙うのは、サラダバーだと確信している。野菜をバクバクた食べ、3回は取りに行く
 1人暮らしだから、野菜不足の解消が目的なのだ。学生のころは、MKタクシーの社員食堂で解消していたらしいが、社会人になってタクシーに乗りもしないのに、社員食堂の常連を続けるのは、気がとがめるらしい。フォルクスはMKの代用だと確信している。
 僕は家で野菜はよく食べる。それだけでない。散歩していると、農家の人から畑の野菜をもらえることがある。いつそうなってもいいように、折りたたみの袋は必ず持って歩く。だから、サラダバーなど、いないいないバーだ。
 もう1つは洋食の「キャピトル東洋亭」。ハンバーグなどの洋食を頼むと、必ず冷たいトマトが1個丸ごとついてくる。実は息子はこれが狙いなのだ。丸ごとの魅力に丸めこまれているに違いない。トマトが食べたければ、スーパーで買って食べればいい。それが僕の主張である。
 トマトは皮を湯むきする。上から包丁で8等分くらいに切るが、完全に切り離さない方が形がいい。それを皿に乗せる。コンソメか鶏ガラスープを作り、バジルペーストとコショウを加えてさらに熱し、できればクズ、なければカタクリ粉でとろみをつける。冷やしてからトマトにかけ、さらに冷蔵庫で冷やす。トマトそのままでもいいのだが、何となく料理っぽい。(梶川伸)2019.05.01

更新日時 2019/05/01


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