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編集長のズボラ料理(291) ソーセージとチーズの揚げギョウザ

味付けは好みで

 2回前の289回「ゴボウの揚げギョウザ」の中で、ソーセージなどをギョウザの皮に包んで揚げると、これがビールのつまみにいいと書いた。今回は安易に、それを紹介する。
 ギョウザは王将か珉珉(みんみん)か、という難しい問いがある。両方とも庶民的な中華の店で、いずれもギョウザが象徴の店になっていている。
 僕の場合はどちらの店にも行くが、今年71歳になる個人史から言っても、文句なく珉珉派だ。昔から大阪の味と言えば、珉珉と、ぼてじゅうだったからで、僕もどっぷりとつかってきた。
 ただし、ちょっとした寄り道をした。実は、大学士生の時は珉珉ではなかったのだ。もっと庶民的な店「良心亭」が梅田の阪急東通り商店街のあたりにあって、そこに通っていた。焼き飯とラーメンのセットが100円だった。とは言っても、しょっちゅう行ったわけではない。
 いつも大学の食堂で、素うどん2杯を食べていた僕にとっては、良心亭は大変なごちそうだった。大学1年生の時は学食の素うどんは1杯15円だった。いつも2杯で30円。確か2年生になって、1杯30円になった。信じられないような100%値上げという苦難を強いられたが、それでも2杯で60円。そう考えると、良心亭は良心の塊のような店だった。
 ところが良心亭は火事で燃えてしまい、個人史の中では珉珉時代が始まる。珉珉ではギョウザとジンギスカンが定番のメニューだった。
 いつの間にか大阪の味は、王将と風月に変わり、蓬莱の豚まんまで加わった。僕の10歳下の毎日新聞時代の後輩は、東京に出張があると、王将のギョウザを土産に持って行っていた。時代は変わったのだ。あの臭いを新幹線で運ぶ気がしれないが。
 僕の場合はせいぜい、551の豚まんを買い、近鉄電車で家に持って帰るくらいのことだ。どちらも臭いはなかなかだが、新幹線と近鉄では全然違う。新幹線は乗車券のほかに、新幹線の特急券がいるのに、ギョウザつきはいかん。
 ギョウザについて書いてきたが、今回のテーマは珉珉でも王将でもなく、皮である。居酒屋さんに行くとギョウザも頼むが、チーズを包んで揚げたものもビールのあてにする。今回はそのパクリである。
 ソーセージを包みやすい大きさに切る。スライスチーズも同じ。大葉は半分に切る。味付け用に、メンタイコ、マスタード、バジルペースト、たたいた梅干し、ケチャップなど、自分の好きなもの用意する。ソーセージ、チーズ、大葉を皮に乗せ、好きな味付けをしてから包み、油で揚げる。これは良心亭レベルの安いつまみとなる。(梶川伸)2018.01.26

更新日時 2018/01/26


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