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編集長のズボラ料理(289) 高菜のリゾット風

高菜の塩味も大事

 実は、リゾットとはどうして作るのか知らない。調べればすぐに分かるのだろうが、面倒くさいから調べない。だから、リゾットとは何かを知らない。
 以前、ティラミスとは何かで悩み抜いたことがある。食べたことはあるので、何となくのイメージはあった。ところが、大阪・ミナミの店で「豆腐ティラミス」なるものが出てきて、わけがわからなくなった。
 豆腐をケーキ風にしていて、表面に茶色い粉がまぶしてあった。ということは、その茶色い粉がティラミスの本質部分なのか。しかし、イメージのティラミスはチーズが使ってある気がする。だとすると、根本部分はチーズなのか、茶色い粉なのか。
 もう1つ問題がある。茶色い粉がカカオなのか、コーヒーなのか。僕のようなスイーツ音痴人間のためには、どっちかわからないまぎらわしい色を使ってもらっては困るのだ。
「ティラミスアイス」なるものを食べたことがある。ティラミスの本質がつかめないまま食べたから、ますます焦点が絞れなくなってしまった。
 この原稿を書くにあたって、インターネットを利用し、「ティラミスとは」で検索してみた。コーヒーとリキュールをしみ込ませたスポンジケーキと、マスカルポ-ネチーズが本質だとわかった。だとすると、豆腐やアイスは何だったのか。
 モンブランとは何か。京都市・北山の「マールブランシュ」のモンブランを食べながら、考え込んだことがある。その本質は栗を使うことなのか、山のような形のことなのか。栗が本質なら、なぜ山なのか。山だとしても、大文字の山ではなぜいけないのか。
 本質が山の形なら、なぜ栗なのか。あんこなら絞り出して山型にすることができそうだが、あんこではいけないのか。結局、僕自身の結論が出ていない。だからその店に行くと、僕はチーズケーキと買うことにしている。チーズケーキなら本質論で、考える込む必要がないからだ。
 リゾットは食べたことはあるから、何となくの色・形はわかる。ただし、その本質と作り方は知らないので、今回もまたズボラ流である。
 鍋に牛乳を注ぎ、チーズフォデュー用のチーズを入れ、白ワインも注ぎ、バターも加えて、ゆっくりと熱する。チーズが溶けてきたら温かいご飯を入れ、白コショウも振って、ドロッとしてくるまで熱する。皿に取り、高菜の漬け物を細かく切って、その上に乗せる。
 これがリゾットの本質を踏襲しているのかいないのか、よくわからない。だから風をつけることにした。責任を逃れるには、風は実に都合がいい。(梶川伸)2108.01.22

更新日時 2018/01/22


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