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編集長のズボラ料理(288) 豚肉のハチミツしょうゆ焼き

しょうゆ、みりん、酒の代わりにそうめんつゆでもよい

 豚肉と牛肉を、スーパーで比べてみる。。
 牛肉の場合は、ステーキ用、すき焼き用、シャブシャブ用、薄切り、シチュウ・カレー用、切り落とし、種類はこんなところだ。これらをまんべんなく買うかというと、そうではない。もし日本産に限れば、まずステーキ用が外れ、せいぜいサイコロステーキで我慢することになる。
 すき焼き用は薄切りよりも少し厚めだから、正月に限定される。子どもが帰ってきたり、親類が来たりした時にええかっこうをするためだけにある。そして儀式がある。
 テーブルに置いたすき焼き用の鍋に脂を乗せてを熱し、牛肉を人数分だけ鍋に入れ、砂糖を振って、しょうゆをかける。1回ひっくり返して、それぞれさっと食べる。それを2回繰り返せば、儀式が終わる。あとは野菜でも糸コンニャクでも、好き勝手に食べればいい。
 さらにランクの高い儀式がある。熱した鍋にまずざらめの砂糖ををまき、間髪を入れず肉をのせ、サッとしょうゆを振って、ひっくり返して食べる。これを成功させるには、秒単位の技術を要する。以前、無謀にも挑戦し、技術未熟につきスピードが足らず、ざらめが炭化し、鍋がえらいことになった。通常は薄切りか切り落としを使うので、儀式はない。邪道の割り下でもいい。
 豚肉の場合は、とんかつ用、一口かつ用、ショウガ焼き用、シャブシャブ用、薄切り、切り落とし、三枚肉の塊、スペアリブ用というラインナップになる。牛肉よりは少し種類が多く、結構幅広く使う。この中で、ショウガ焼き用が存在感を示す。
 とんかつ用よりはかなり薄い。牛肉のステーキ用よりはずっと薄い。イオンのタスマニアビーフのステーキ用に比べても、大分薄い。だからといって、すき焼き用よりも厚い。ここが微妙なところで、豚肉は牛肉に対するコンプレックスをここで解消するのだ。だから、サラリーマンは昼食のショウガ焼き定食で、週に1回か10日に1回のペースで、「肉」の厚みにほくそえむ。牛肉にこの陶酔感はない。
 ショウガ焼きばかりも食べていられないので、少しだけ目先を変える。しょうゆとみりんと酒にハチミツを加えてよく混ぜ、ショウガ焼き用の豚肉をしばらく漬ける。それをフライパンで焼く。ハチミツで照りが出ると、おいしそうに見える。
 先日久し振りで作ってみた。冬なのでハチミツが固まっていて、溶かすのに往生した。(梶川伸)

更新日時 2018/01/16


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