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編集長のズボラ料理(259) 新タマネギのカニみそグラタン

ホワイトシースのとろみ具合に気をつける

 最近、すし屋といえば90%は回転ずしに行く。だから、「どこに行く?」と相談しても、スシローか、くら寿司か、京都なら寿しのむさし、そのくらいの選択になる。
 仕事が現役のころは回るすし以外に、大阪市・天神橋筋の回らないすし三羽ガラス、奴寿司、すし政、春駒も加わっていた。時には新世界ジャンジャン横丁の1人前3貫のすし屋も仲間入りした。
 ずっとさかのぼって新人記者のころは、梅田の縄ずし、亀ずしだった。給料日になると、同期の同僚とよく行った。すし好きの、すしの友と言ってもいい。
 すしの友とは職場が別で、離れ離れになった。しかし時々出会っては、すしをつまんだ。年を経るに従って回転ずし屋が増え、そちらへ行く機会が増えた。いずれにしても、僕のすしの歴史は、回っても回らなくても、安いすし屋ばかりだったことになる
 定年が近づいたころ、大阪で出会ったことがあるが、新人時代を思い出し、当然のようにすしになった。昼だったので大阪駅に近い安いすし屋で、にぎりとうどんのすしランチを頼み、ビールを飲んだ。まず。
 ビールがいけなかった。お互いに気分がよくなり、タクシーに乗って天神橋へ向かった。奴寿司でマグロをつまみ、ビールを2人1本。まずは。
 すし政が近いので、ついでにのぞいた。マグロを選び、ビールを2人で1本。ここまできたら、春駒も行かなければ。しめのマグロで、ビールを2人で1本。マグロを頼むのは、安いからにほかならない。
 昼ご飯にすし屋4軒。これは僕のすしの歴史でさん然と輝く記録で、それから10年になるが、いまだに破られていない。ただ、タクシーに乗ったり、店ごとにビールを飲んだり、結局は安上がりだったのか、高くついたのか、評価の分かれるところだ。
 安いすし屋では、カニみそを食べたくなる。たいては軍艦巻きで出てくる。そして、いつも不思議に思う。なぜ、キュウリの薄切りと一緒にしゃりの上に乗っているのだろう。高いすし屋そうなのか、1度行ってみる必要がある。すしの友でも誘って。
 安上りにするために、スーパーで売っている瓶詰めのカニみそを使う。鍋にバターの塊を入れ、弱火でゆっくり温めて溶かす。小麦粉を加えてかき混ぜ、団子状にする。牛乳を少しずつ入れてかき混ぜ、ホワイトソースを作る。それにカニみそをたくさん入れて、さらにかき混ぜる。
 新タマネギを縦半分に切り、それをまたおおざっぱな縦切りにする。グラタン皿にバターを塗ってから、タマネギを入れる。その上に、カニみそホワイトソースをかけ、とろけるチーズを乗せ、オーブンで焼く。この料理は、柔らかく新タマネギの時がいいと思う。(梶川伸)2017.05.03

更新日時 2017/05/03


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