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編集長のズボラ料理(231) ギョウザの皮の揚げ物マヨネーズジャム和え

レモンを混ぜてもいい

 おかずなのかお菓子なのか、悩んでしまうことがよくある。どっちでもいいじゃないか、と思うかもしれないが、実は大問題なのである。食べる時の心構えが違う。
 おかずならば、ご飯と一緒に食べるから、はしはごく自然の流れに任せることができる。つまり、ことさら考える必要がない。お菓子だとすれば、ご飯を食べ終わってからが多い。デザートとも言い、女性は「別腹」と言い放って、バクバク食べるので、それほど深く考えないようだ。
 男はだめだ。デザートを食べる決心をしたならば、おかずを食べる量を考えなければいえいけないが、その計算ができない。
 遍路仲間が月に1度、リーゾナブルな中華料理店に集まる。女性組はいつも最後に杏仁豆腐(あんにんどうふ)を食べる。男組は違う。まずビールを1杯飲んで、紹興酒(しょうこうしゅ)を飲みながら料理をつまみ、最後は杏仁豆腐ではなくビールでしめくくる。
 女性組は時々、大学イモを注文する。これは限りなくお菓子に近い。サツマイモとは、そういうもんだ、と僕は思う。ただ、サツモイモのレモン煮となるとどうか。ジャガイモの代わりにサツマイモを使ったコロッケもあるが、こうなると訳が分からなくある。食べる時に、どちらのつもりで食べるのか、難しい判断を迫られる。
 遍路メンバーの1人は、サツマイモをご飯代わりによく食べるという。おかずを通り越して主食としての位置づけに、なかなかついていけない。ただ、よく考えれば、小さいころは焼きイモを昼ご飯にして、結構喜んでいたような気もする。
 パイ包みというおしゃれな料理がある。中身は肉や魚介類でも、「パイ」という言葉からアップルパイを連想してしまい、おかずとして食べるには、それなりに決意がいる。
 タコ焼きはどうだろう。これは難しい。特に大阪では。小腹がすいた時に食べるから、お菓子とはちょっと違う。ビールのあてにもする。それどころか、大阪ではどこの家にもタコ焼き器があり、主食とおかずとを兼ねた食べ物として、確固たる地位を占めている。こう考えれば、お菓子とおかずの境界は実にいい加減なものである。
 ギョウザを作って、皮が余ったとする。皮を細長く切り、油で揚げる。マヨネーズにジャムかマーマレードを混ぜ、揚げた皮をそれで和える。これはおかずなのか、お菓子なのか、酒のあてなのか、微妙なところだ。(梶川伸)2016.12.05

更新日時 2016/12/05


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