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編集長のズボラ料理④ ハンペンの春巻き<br />

大葉やタラコ、チーズの量は好みで

 前回「カルフラワーのヘレカツもどき」を紹介した。そうすると、編集室の中で異論が出た。「ヘレカツ」ではなく、「フィレカツじゃないの?」と。しかも、6人のスタッフの中で、僕をのぞく5人だから、大いに焦った。「僕はなまっていたのか」
 ことは国際問題である。友人の娘さんに、レシピを教えてしまったのだ。その娘さんはドバイに住んでいる。ドバイでは「ヘレカツ」として定着してしまったかもしれない。いや、中東全体に広まった恐れもある。
 それ以来、会う人ごとに、フィレカツかヘレカツかを聞く日々が続いた。どうもはっきりしない。その友人と酒を飲む機会があり、同じように聞いてみた。友人は酒は好きでも、料理には関心がなく、「どっちでもいいんじゃないの」と、素っ気ない。
 そのくせ、「この前話していた春巻きの作り方教えて」とあつかましい。口で伝えても、きっと酔っぱらって忘れるだろうから、紙に書いて渡した。
 近鉄大阪線俊徳道駅のガード下の居酒屋「ゆらり」で出てきた春巻きである。具のメーンはハンペンで、長細く4つに切っておく。春巻きの皮に上に大葉を敷く。その上にハンペン、タラコ、チーズを乗せる。スライスチーズが使いやすく、1枚の半分で良い。僕の好みとしては、とろけない方のチーズだ。あとは油で揚げるだけ。
 揚げる時にハンペンは膨らむので、春巻きの皮は、ゆるめに巻いた方が良い。揚げた春巻きは半分に切って食べるのが普通だが、客には1本丸まま出して、「何だと思う?」と言いながら、中身を当てさせるのも面白い。
 友人はレシピの紙を忘れずに持って帰っただろうか。正月には娘さんが里帰りすると聞いている。そうすると、この春巻きはドバイに進出することになるはずだ。かくてまた、中東では「春巻きといえばハンペン」が常識になるに違いない。フフフ。(梶川伸)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第11号(2010年12月16日)

ハンペン

更新日時 2010/12/12


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