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編集長のズボラ料理(182) 豆腐の木の芽はさみバター焼き

豆腐に小麦粉を軽くまぶして焼いてもいい

  自宅前の小さな花壇で朝、花の手入れをしていると、近所の人が木の芽をくれた。育てているサンショウが、今年も新しい葉をつけたのだという。ラップに包まれた春の味だ。
 サンショウは大好物である。ピリピリとした味にしびれてしまう。実でも葉でも、どちらでもいい。「サンショウはグー」だ。
 葉ザンンショウの木の苗を何度か買った。実ザンショウの方は高いからパスする。実は安い時期に店で買う。それをそのまま冷凍しておいて使う。これはいつでもピリピリが楽しめるから重宝する。
 以前は友人が、実家のある奈良県天川村に山菜取りに誘ってくれ、ついでにサンショウの木から実を大量に摘んで帰った。ところが最近は山菜取りのお誘いがない。さりげなくプレッシャーをかけるのだが、どうも反応が鈍い。
 葉ザンショウの苗はわが家では、どうも根づかない。植えた年は、木の芽の摘むことができるのだが、その年限りで枯れてします。何度も敗北を重ねる。たまには勝ち星がほしいが、サンショウどころか1勝もしない。
 サンショウの葉をもらった午後、友人の家に行った。親類からもらったイカナゴのくぎ煮を、おすそわけしてくれるという。郵パック用のイカナゴ専用パックに詰めて、ベランダに行った。帰ってくると、サンショウの葉を3枚手にしている。それをくぎ煮の上に置き、ふたをしめて渡してくれた。
 ベランダをのぞいてみると、大きな鉢にサンショウが植えてあった。木も大きくなり、きれいな葉をつけている。何でやねん。我が家の小さな庭では、枯れたけれども未練で残している木が2つもあるのに。しゃくに触るから、いただいたお礼は簡単にした。
 その夜は、友人グループで居酒屋へ行った。タケノコを頼むと、木の芽が乗っていた。縁のある日はこんなもので、木の芽3勝に大いに満足した。
 豆腐をキッチンペーパーで包むなどして、水切りをする。短冊に切り、さらに包丁を入れて豆腐を開けるようにする。てのひらで叩いて香りを出した木の芽をはさみ、サンドイッチのようにする。フライパンにバターをひき、豆腐の両面がキツネ色になるまで焼く。しょうゆをたらし、さっと両面を再度焼く。
 木の芽もバターも多めが好みだ。特に木の芽はたくさんもらっている。木の芽を以前、実と同じよおうに冷凍保存したことがある。それを使った時、香りはなかった。だから、もらったらすぐに使った方がいいのだ。(梶川伸)2016.04.17

更新日時 2016/04/17


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