押しつけ花物語(15) カラシナの波
春は花の色があふれ、心が弾む。畑を見れば、菜の花の黄色が、快活に春を喜んでいる。少しが緑が入った明るい黄色で、畑一面を埋めれば、これにかなう春はない。
まぶし過ぎて、小さな川の土手に目を移す。そこにはカラシナの帯。菜の花に似てはいるが、黄色は控えめで派手さはない。密集しているとはいえ、茎は細く、花びらは薄くて小さいので、風が通り抜けてゆく。すると、花がチラチラと揺れる、太陽を受けて光る波のように。。
ノンビリした春は、別れの季節でもある。友人の転勤が決まった。押しつけ花を贈ることにした。小さな花ばかりだが、できるだけ華やかにして。(梶川伸)2015.02.28
更新日時 2015/02/27