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気軽にお寺に⑦400年のイブキ 池田・自性院

枝の広がりは南北方向で14メートルに及ぶ。全体像はカメラでとらえにくい

 境内のカイヅカイブキは、樹高13メートルで、樹齢は400年と推定される。住職の原弘昭さんは「寺のシンボルで、地域の生き字引」と語る。巨木には、「タヌキの問いかけ」という逸話も残る。
 明治の初めのころ、夜に木の上から「よなべしもたか、つるべおろそか」という声が聞こえ、砂が降ってきた。当時は綿の栽培農家が多く、昼の農作業がすんでも、綿糸を紡ぐ夜なべ作業で忙しかった。声は「夜の仕事は終わったか、つるべで朝の井戸水をくみ上げようか」という問いかけだった。タヌキは足で砂をよくかけるので、タヌキの声だったという。
 4年前、木の周りを整備した。水鉢を置き、リュウノヒゲを植えた。ベンチもある。「早朝、ベンチで新聞を読む人もいる」。原さんの言葉から、近くの人の憩いの場となっていることがわかる。
 木は力強さを感じる。「葉は年中、少しずつ落ちて新しい葉に変わる。新陳代謝がいいのだろう。それがエネルギーのもと」。原さんは推測する。その巨木は、初夏に小さな薄緑の花をつける。(梶川伸)
【自性院】池田市渋谷3-17-11▽072-752-5584
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第40号(2012年6月14日)

更新日時 2012/06/01


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