気軽にお寺に⑥ 合気道の道場 豊中・正泉寺
境内に合気道の道場がある。嶋本勝行住職が設け、今年で50年。秋に記念行事があり、海外から約60人が参加する。
嶋本住職は曹洞(そうとう)宗が設立した駒澤大学(東京)に入学し、学生寮に入った。寮監に勧められたのが合気道だった。その日のうちに寮内の回り、15人の賛同者を得て、合気道の支部ができた。指導者は、やがて合気道本部の道主代行となる大澤喜三郎さんだった。
大学院を出て、寺に道場を開いた。自身は総本山・永平寺(福井県)で修業し、箕面市の中学校教師も経験した後、寺に戻って先代住職だった父の後を継いだ。
大澤さんの言葉が心に残るという。「こんな大学でこそ合気道を」。それは、禅と合気道の融合だ。
寺は週に計8回の合気道教室を開いている。イスラエル、ドイツからも習いに来ている。「合気道は、相手を受け入れることから始まる和の武道。投げ飛ばして勝つのではなく、心のキャッチボールをして相手に返す。武を極めると舞になる」。嶋本住職の言葉に、道場生は耳を傾ける。
【正泉寺】豊中市刀根山2-4-13▽06-6852-3720
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第38号(2012年4月12日)
更新日時 2012/04/03