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編集長のズボラ料理(769) 赤玉シメジ

飲むことを考えて、みそ汁のような濃さで

 友人とすし居酒屋「杉玉」で飲んだ。別に意味も理由もない。しいて言えば、しばらく飲んでいないからだった。
 飲む時に友人は、必ず鶏のから揚げのようなこってりしたものを頼む。ところがその時は、ビールのあて用のすし3貫セットをまず頼んだ。何かおかしい。僕が頼んだ刺し身の盛り合わせには、手を伸ばさない。何かあやしい。
 ビールは生中を1杯飲んだが、その後は進まない。通常は日本酒の移るのだが、その気配もない。
 悩みでもあるのだろうか。そう思って聞いてみた。すると、微熱があるという。やっぱり。
 37.3度。僕らの年になって、37度を超えると、それなりの熱である。それならば、飲む約束をしなければいいのに。
 実は僕も前日、熱が測定された。奈良市の平城宮跡を歩いた。暑い日だった。太陽の下を1時間余り。歩いて商業施設「ミ・ナーラ」に入り、ホッとした。入口に検温器が置いてあり、顔を向けると、何と37.2度ではないか。1日違いではあるが、友人に迫る勢い。
 特にしんどいわけではなかった。太陽で顔の表面が焼けて熱くなっに違いない。帽子が嫌いで被っていない。髪の毛はごく少なくなっている。家族からは「直焼き」と言われてからかわれていたが、ほんまにそんなことがあるのだ。
 その後、体温は測ることはしなかったが、冷房の中で心地よく買い物をした。その間に、顔の表面温度も下がったのだろう。頭の直冷えも効果があったかもしれない。
 再び、杉玉のことに戻る。友人は赤玉なるものを注文した。何かと思ったが、運ばれてきて「なーるほど」と感じた。みそ汁の赤だしに、溶き卵を浮かべたものだった。それを食べて、飲み会は終了した。わずか40分。異例の短さだった。それならば、飲む約束をしなければいいのに。酒飲みは困ったものだ。
 赤玉は簡単だから、ズボラ料理に採用することにした。赤だしのみそ汁を作る。量は少なめ。それに溶き卵を入れるだけだが、全くのパクリはいけないと思い、シメジも加えてみた。
 作ってみて、ふと思った。みそ汁とどう違うのだろう。(梶川伸)2024.11.03


更新日時 2024/11/03


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