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編集長のズボラ料理(747) ヒイカとハルサメの煮物

少なめの水で煮ると良い

 イカを料理する時、いつも悩むことがある。余分なものは取り除いてから調理するが、どこまで取り除くかという問題だ。
 普通の大きさのイカの場合は、まだましと言える。胴体と足の部分を切り離す。ここまでは何の問題も無い。ちょっとだけ迷うのはここから。それは足の部分の処理。目玉の部分から内臓にかけては捨て、足だけになるが、次に関門がある。足のいぼがついていて、固い殻にようなものを取るかどうか。僕はたいて、手でしごいて取る。それが正解なのかどうか。
 胴の方は、皮をはぐかどうかが1つの分かれ目。僕はペーパータオルを使って取るが、どういう効果があるのか知らないで実施する。
 胴の中の軟骨は取る。その次が悩みどころ。胴の入口にある少し固い小さな突起を包丁で切り取るかどうか。気が向いたら切るが、どんな効果があるのかは知らない。
 今度はホタルイカ。すべてが小さいから、そのまま使っても構わない。現にボイルしたものを酢みそやポン酢で食べる時は、何ら処理をせずに食べてしまう。
 ただ、春の料理で、ホタルイカとナノハナのパスタを作る時は、迷いが出てくる。なぜか目玉を取りたくなるのだ、これは面倒くさい、目玉を取ってしまうと、さらに胴の中の軟骨も取りたくなってしまうから不思議だ。毛抜きを使うこともあるが、小さいから手間がかかる。
 そこで、親指の爪と人差し指の指先の腹の部分に軟骨をはさんで抜く。力が入ると、爪が肉に食い込み、血みどろになりそうだから、大変なのだ。
 では、中間のヒイカはどうするか。目玉や軟骨が気になるような、気にならないような、中途半端な大きさだから、大いに悩む。スーパーで売っているのは、プラスチックのトレーに何尾か盛ってあり、大きさがバラバラだから、正解はないのである。
 今回は取り除く方式にした。胴と足を切り離し、目から下は取り除き、足だけにする。胴と足とはるさめを鍋で煮るが、水は少なくする。味つけだしの素、みりん、酒、しょうゆで、濃い目に味をつける。水分がごく少なくなるまで煮て、あとははるさめが味を吸うまでしばらく置いておく。
 ヒイカは安いから時々買うが、食べる時に考え込んでしまう。目玉から先を取ってしまうと、足の部分は小さい。煮ると、さらに小さくなり、消えそうな状態。手間をかけて処理した効果はあったのだろうか。(梶川伸)2024.07.29



更新日時 2024/07/29


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