編集長のズボラ料理(725) コゴミとエビとオレンジのマヨネーズポン酢
昔からの付き合いのご近所さから、電話がかかってきた。ちょっと不安がよぎった。健康問題のような悪いことではないのだが、少し思い当たる節があったからだ。
お互いの子どもが小学生時代、団地のアパートの隣同士の部屋だった。子どもはお互いに2歳違いで2人ずつ。しかも、向こうの姉、こちらの姉、向こうの妹、こちらの弟と、1歳違いで並んでいた。その後、お互いに団地内の別の部屋に移ったが、交流は続いている。
電話の10日ほど前、向こうの夫婦と団地内でバッタリ出会った。その時、夫の方が「またアユ釣りに行こうと思っている」と口にした。釣りが好きなので、時々釣果のおすそ分けがある。それはありがたいのだが、アユだけは困る。
以前、稚アユをたくさんもらったことがある。その時は奥さんから電話があり、「面倒くさかったら、内臓を取っておいてあげようか?」と言う。そこまでしてもらうわけにはいかないので、そのままもらった。
甘かった。届いたのはビックリの約100尾。ありがた過ぎるではないか、一部は内臓を取り除いたが、大半はそのまま天ぷらにした。
さて、今回の電話。やはり、アユを釣りに行ったのだ。でも、「釣れなかった」というので、ホッとした。その代わり、手持ちぶさただったので、奥さんは近くでコゴミを摘んだらしい。それを届けてくれる。春の味だからありがたい。稚アユでなくてよかった、と思いながら、ありがたく待っていた。
届いた。ありがた過ぎる。大型のジップロックの2倍ほどあるビニール袋に、詰め詰に入っていた。この夫婦、量に対する感覚がおかしい。どうするんや。
とりあえず31部は天ぷらにすることにした。そんなものでは全く減らない。そこで、全体の半分を塩ゆでにし、水分を取り除き、その一部を活用した。コゴミ、ゆでたエビ、皮と中の薄皮をむいたオレンジを皿に盛り、ポン酢とマヨネーズで食べた。天ぷらと一緒に。春の味わうには苦労する。
塩ゆでした大半は、容器に入れて冷蔵庫に入れた。生の半分は、ビニール袋のまま残っている。どうするんや。警戒すべき点も残っている。くだんの夫婦がアユのリベンジに出かける恐れは多分にある。(梶川伸)2024.04.15
更新日時 2024/04/15