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編集長のズボラ料理(641) 合いびきミンチとチンゲンサイの炒め物

チンゲンサイは歯ごたえを残すように

 前にも書いた気がするが、チンゲンサイとカタカナで書くと、どこかユーモラスな感じがする。「チン」が「珍」を連想させるからだろう。
 漢字で書くと「珍」は使わない。「青梗菜」と書く。これはおいしそうに見える。「青」が入っているからに違いない。中華料理店のメニューで、青梗菜と書いてあると、つい注文してしまう。
 その昔、チンゲンサイと読むとは知らず、字の印象だけで、クリーム煮を頼んだことがある。緑色が美しく、好きになった。でも、読み方を知らないので、いつも「青菜(あおな)」と呼んでいた。
 調べてみると、1972年の日中国交正常化を機に、中国野菜ブームが起こり、日本で青梗菜が広まったそうだから、なじみがないので青菜といい加減な呼び方をしていたのも、仕方がないことだった。
 ところが、青梗菜の炒め物を、青菜炒めとも言うのだと、後9で知ったからおもしろい。僕と同じくらい、青梗菜をきちんと覚えなかった人が、たくさんいたのが要因ではないか。、
 では、「青菜」を調べると、濃い緑色をした葉野菜だと書いてある。代表的なものは、コマツナ、ホウレンソウ、チンゲンサイ。さらにクウシンサイ、タアサイ、シュンギク。もっと書けば、トウミョウ、モロヘイヤない
 つまり、チンゲンサイは青菜だが、青菜はチンゲンサイではなおい。必要条件と十分条件の関係みたなもので、チンゲンサイは極めて数学的食べ物といえる。
 ついてに、白い葉の野菜を考える。漢字で「白菜」と書くと、これはシロナではない。音読みをして、ハクサイとなる。ややこしい。赤菜、黒菜もあるが、こんがらがるから、青、白以上に広げないことにした。
 チンゲンサイを茎の部分と葉の部分に分け、それぞれ一口大に切る。フライパンで合いびきミンチをとチンゲンサイの茎を炒める。味つけは鶏がらスープの素。さらにコショウ、砂糖、酒を加える。火が通ったら、葉の部御分も入れ、しょうゆも加えてさらに炒める。
 チンゲサイ以外の青菜を使ってもでもいい。白菜でもシロナでもいいかもしれない。色は何でもいいのだ、大事なのは、葉であることなのだろう。合いびきでなくとも、豚ミンチ、牛ミンチ、鶏ミンチでもいいかもしれない。ズボラ料理は「だいたい」というファジー理論を基本にしているにだから。(梶川伸)2023.01.01

更新日時 2023/01/01


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