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編集長のズボラ料理(618) 豚肉とタマネギと梨の炒め物

水分は飛ばした方がいい

 梨の種類に、幸水がある。僕は多分1978年以降、幸水が好きだ。多分というのは、「記憶がはっきりしない」という政治家の常套句を、僕も採用しただけのことだ。
 好きになるきっかけは、記憶がはっきりしている。味ではなくてセミだという、変な理由だからだ。
 徳島市に住んでいた時、子ども2人を連れて、鳴門市に梨狩りに行った。たくさん実っていたが、それ以上に数が多かったは、梨の木に止まっていたセミ。子どは梨を取って食べるより、セミをつかまえること必至だった。
 さすがに僕はお金を払っていることもあり、セミ取りもしたが、梨は2個食べた。と、思う。数は政治家的言い方ではっきりせずに申し訳けないが、茶色っぽい色は覚えている。
 当時は梨と言えば二十世紀で、色は緑に近かった。だから、茶色が新鮮に見えた。セミのおかげで、よく覚えている。
 やがて、幸水を買って食べるようになり、豊かな味が好きになった。新水やら豊
水やら、まぎらわしいものがあるが、幸水一本やり通している。そして、僕の得意技が始まる。「幸水が大好き」と、言いふらすのだ。
 以前、取り立ての水ナスを道端で売っていて、買ったことがある。売っていた人は、「農作業中にのどが乾いたら、水ナスを割いて食べる」と話すので、さっそくその場で食べたことがある。何たる水分。それ以来、「水ナスが大好き」と言いふらしていたら、ひと夏に3人からもらった。今でも毎年、弟と弟の奥さんの実家から、水ナスが届く。しかも、同じ農園から。
 幸水大好き言いふらし作戦は、2匹目のドジョウを狙った。これも成功。ただ、2匹目も弟だが。
 弟が千葉県に住んでいて、千葉の幸水を送ってくる。去年までは柏市の「みのわ園」のものだったが、今年は白井市のものだった。産地は変わったが、作戦の効果は続いている。
 梨は半分に切り皮をむき、種を取ってすりおろし、ボールに入れる。そこに豚肉とくし切りにしたタマネギを加えて、しばらく漬けこむ。残り半分の梨も皮をむき、種を取って、薄切りにする。フライパンに油をひいて、ボールの中身と梨の薄切りを入れて炒める。味つけはだしの素、佐藤、酒、しょうゆ。水分がなくなるまで炒める。
 言いふらし作戦は、落花生でも成功した。千葉は落花生の才一でもあり、3匹目のドジョウは、また弟だった。(梶川伸)2022.08.29

更新日時 2022/08/29


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