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編集長のズボラ料理(459) ブロッコリーとソーセージの豆乳グラタン

ホワイトソースを作る際、鶏がらスープの素か白だしを少し加え、味をつけてもよい

 豆乳は体にいいらしい。分かっているのだが、ついつい牛乳に手が伸びる。何でだろう、牛乳の方がおいしいと思ってしまうのは。
 答はいたって簡単。紙パックにちゃんと書いてある。
 例えば「明治おいしい牛乳」。名前からして「おいしい」のだから、豆乳がかなうわけがない。
 「森永のおいしい牛乳」もある。「の」が入っているので、森永牛乳の中では、のことかもしれないが、おいしいのは譲らない。
 よつ葉乳業にも「北海道十勝おいしい牛乳」がある。成城石井には、「丹波のおいしい牛乳」が置いてあった。日本はおいしい牛乳だらけだ。
 特選、特濃、成分無調整、夕しぼり……と、おいしさを思わせる牛乳はほかにもある。しかし、もろに「おいしい」と表現されれば、説得力は半端ではない。
 旅に行って道の駅に寄ると、地元の牧場の牛乳を飲みたくなる。これは年配者によく見られる傾向だ。その昔、銭湯に入った後、牛乳を飲みたくなった年代で、牛乳を見ると、自然と体が反応する。
 紙パックより瓶がいい。紙の丸いキャップに郷愁を感じるからだ。小学生のころ、机の引き出しにたくさん入っていた。僕ら団塊の世代にとっては、紙キャップの数はステータスだった。
 紙キャップをアイスピックのようなもので刺して開ける。その時に牛乳がこぼれないように、さらに外側にビニールが被せてあった。二重防護だが、これが結構役に立つ。
 瓶牛乳のベテランは、ピックを使わない。紙キャップを上から指で押して外すテクニックを持っていた。それがかっこいいと思い、子どもはまねをする。しかし、力の入れ具合が難しい。力を入れすぎると、牛乳の中にキャップが落ちる。その時に牛乳が飛び散るから、慣れるまではビニールがほしいのだ。
 牛乳には書くことが多い。香川県から鳥取県・大山(だいせん)に入植した人たちが、大山牧場を開き、大山牛乳は人気商品となった。香川県でも売っている。一方、香川県には大山(おおやま)牧場があって、そこの大山牛乳も人気だ。だからややこしい。そんな話題も書ける。
 しかし、豆乳には「おいしい豆乳」もなければ、瓶入りもない。だから牛乳に立ち向かうのはしょせん無理な話である。そこで、今回は豆乳い光を当てる。
 ブロッコリーを食べやすい大きさにカットして、少し塩を入れてさっとゆでておく。ソーセージも適当にカット。鍋にバターを入れて熱し、小麦粉を加えてよく練り、団子状にする。牛乳の代わりに豆乳を加えていって団子をと溶かし、塩、白コショウをふって、ホワイとソースを作る、容器にブロッコリー、ソーセージを入れ、ホワイトシースを注ぎ、パン粉と粉チーズを乗せて、オーブンで焼く。
 牛乳を豆乳に変えただけのズボラ料理だが、名前は「おいしい豆乳グラタン」としたい。(梶川伸)2020.11.26

更新日時 2020/11/26


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