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編集長のズボラ料理(442) 目玉焼き入りハムかつ

目玉焼きは黄身が柔らかめがいい

 食べ物を袋状にする時、何で留め、あるいは何を接着剤にするのか。プロは心得ているのだろうおが、素人には難問だ。
 例えばギョウザ。皮の縁に水をつけて、あんを包み込む。ただ包むだけなら、皮を2つ折りにすればいいのだが、ひだをつけて立体的にした方が見栄えがいい。それは王将の人ならお手のものでスイスイだろうが、ズボラな僕には手間がかかりすぎる。
 2人の子どもが小さいころ、よく夕食にギョウザを作った。なぜか「ギョウザ大会」と呼んでいた。
 うちの大会は徹底していて、ギョウザしか作らない。ご飯も炊かない。ストイックにギョウザを食べる。だから量がいる。最盛時は1人30個見当。王将のプロに比べれば、「歩」程度の技術の僕だから、1分間に包めるのは3個。全体で40分もかかった。あん作りの時間も加えれば、1時間半の大仕事だった。
 食べるのは早い。ホットプレートで焼いてできか上がると、テーブルの大皿に移し、次を焼く。これの繰り返しだから、すぐに完食となる。「作る」対「食べる」の時間比は2対1だから、作り手としては、報われない食べ物だった、
 おでんの巾着は、店のプロは揚げの口をミツバで絞る。素人はミツバに思いがいかない。店で食べて、「なるほど」と思う。まねをして、生のミツバで結んで切れてしまう。そういう経験を経て、やっとゆでたミツバに行き着く。
 イカ飯にしろ、刻んだネギを薄揚げに包む場合も、口はつまようじで留めていた。これは注意が必要だ。うっかりつまようじを抜き忘れて食べると、口の中が血だらけになる
 その点、テレビで見た方法は、さすがプロだった。つまようじの代わりに、スパゲッティーを刺して口を塞いでいた。これなら火を通せば、スパゲッティーも食べられるではないか。
 目玉焼きを作る。丸いハムを2枚用意し、その間にはさむ。目玉焼きが大きければ周りを切って、ハムより小さいサイズにする。スパゲッティー1本を4つに折り、それを針のようにしてハムの周りを四角く留める。両面に小麦粉をまぶし、小麦粉を水で溶いた衣をつけ、さらに表面をパン粉で包み、かつのように油であげる。
 スパゲッティーも油で揚げているから、パリパリと食べられる。ただし、少し固いので、やみくもに食べると、血だらけになる恐れがないわけではない。(梶川伸)2020.10.02

更新日時 2020/10/02


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