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編集長のズボラ料理(422) 炭酸そうめん

濃縮度の高いつゆの方が、炭酸を多く使えていい

 夏になる。熱くなる。のどが渇く。
 そんな過程をたどって、子どものころは麦茶を飲んだ。それが時々、カルピスになった。これはうれしかった。
 確かカルピスは濃縮タイプで、3倍だったか4倍だったか、水で薄めて飲んだ。おふくろが作ってくれたが、自分で作るとなると、なるべく濃いめにした。
 薄めなかったらどんなにおいしいのだろうと何度も思ったが、原液をなめた記憶がない。それには理由がある。
 確か小学校1年生の時だった。誤って味の素の缶を倒し、中身が大量に座卓の上にこぼれた。ほとんどは缶に戻したが、それでもかなり散らばっていた。おふくろに叱られる。そう思って、舌でなめて痕跡をなくした。
 作戦は成功したと思ったが、気持ち悪くなった。それをおふくろに言い、結局は叱られた。それがトラウマになって、以後は味の素をほとんど使ったことがない。
 小さいころは、濃縮もののお世話になった。オレンジカルピスは普通のカルピスを超えたと思ったし、ミルトンも飲んだ。そういえばコンクジュースという飲み物もあったなあ。そうめんつゆも濃縮だった。濃縮の記憶は少年時代に濃縮されて残っている。
 ところが濃縮ブームは徐々に去っていった。カルピスはカルピスウォーターとなり、最初から薄めてある。そうめんつゆもストレートが主流になった。
 そんな流れの中で、炭酸が幅をきかせてきた。カルピスではカルピスサワー、アルコール類では酎ハイ、ハイボール。みんなシュワシュワ飲んでいる。
 ハイボールは本来、自分で作るものだ。ウイスキーにウイルキンソン炭酸を加え、マドラーで混ぜるが、1回転半でピタッと氷の動きを止め、「ウイスキーはお好きでしょ」のメロディーを思い浮かべながら飲む。それが本来の姿だが、最近は出来合いの缶入りハイボールも登場した。
 友人宅に仲間が集まって飲むときも、缶入りハイボールを持ち込むメンバーがいる。それどころか、炭酸だけを飲んでいる人もいる。シュワシュワしすぎである。
 今回は濃縮シュワシュワそうめんつゆである。こう書けば、詳しく説明する必要はないかもしれないが、念のため。そうめんをゆでて冷やす。つゆは濃縮タイプを選ぶ。水で薄めるのではなく、炭酸を使う。あとは具や薬味を用意すればよい。
 さらにシュワシュワさせようと思えば、そうめんを入れる容器も、水の代わりに炭酸を張ればいい。シュワシュワ×2。(梶川伸)2020.07.17

更新日時 2020/07/17


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