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編集長のズボラ料理(401) ササミ・白ネギ・セロリの南蛮漬け風

甘いのが好きなひとは、砂糖を少し加えてもいい

 鶏は人によって、好き嫌いがはっきり分かれる。仲間で遍路に行った際、昼食場所選びで、この点は配慮する。そうしているつもりだったが……。
 「うどん県骨付鳥市」。そんな地名がある。もちろん正式名ではない。讃岐うどんの香川県と、骨付鳥が名物の丸亀市のPRのための遊びである。骨付鳥は、鶏の骨付きもも肉に香辛料をまぶし、それをローストする。かぶりついて食べると癖になる。辛いし、口の周りは油でギチギトになるが、そんなのは承知のうえある。、
 骨付鳥の店の代表格に、一鶴がある。遍路で丸亀市を遠った際、誘惑に負けて、一鶴を昼食場所に選んだ時だった。事前に好き嫌いを確認するのを怠っていた。
 メンバーの中に1人、鶏を受け付けない女性がいた。これまで1度も食べたことがないから、食べなという。しかし、子どもにはから揚げを作っていたというから、何のこっちゃ、ではあるが。
 鶏以外のメニューを頼むことにした。ところが、骨付鳥のほかも鳥ご飯、鳥のスープと鶏ばかり。かろうじて、白ご飯のおにぎりと漬け物があり、それを食べてもらった。ピカソの「貧しい食事」よりも貧しい食事だった。
 もう1人、鶏が嫌いな男性がいる。親が養鶏場をやっていたそうで、それが影響しているのだという。これはやむを得ないか。
 ところが鶏嫌いな人も。卵かけご飯は食べられるから、不思議なことだ。遍路の途中、愛媛県四国中央市の養鶏場が経営している小さな店で、全員が卵かけご飯を食べたことがる。鶏は食べない2人も含めて。
 「熊福」という小さな店で、熊といういかつに名前とは裏腹に、卵かけご飯、オムレツ、親子丼、卵焼きしかない。全員が同じものを選んだのにはわけがある。
 卵かけご飯の場合、ご飯は大きな茶碗に入れてもらうが、卵はテーブルの上のザルにたくさん入っていて、それを自分で取ってご飯にかける。卵は食べ放題だから、卵かけご飯を頼むことになる。
 さて食べる。卵1個ではもったいなにので、2個に挑戦する。しかし、3個目は根性がいる。食べ放題といいながら、その範囲は、卵1個か2個かという狭さという現実も知ることも知る。
 今回は鶏のササミを使った。酒蒸しにして、細く切る。白ネギを大量に千切りにする。セロリも細く切る。酢、しょうゆ、みりん、ゴマ油を混ぜ、それで和える。鶏が嫌いな人は、白ネギとセロリだけ食べる。ただし、残念ながらあまり味はないと思うが。(梶川伸)2020.03.23

更新日時 2020/03/23


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