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編集長のズボラ料理(373) 豆乳練りウニグラタン

玉ネギは千切りでホワイトソースを作ってもいい

 豆乳と玄米は、思想で飲み、食べるものだと思う。根性がなければ続かない。
 どちらも体にいいのは分かっている。だから、何度も決意する。「今回は半年は続けるぞ」
 共同購入のグループに入ったことがある。有機野菜とともに、玄米が送られてくるプラン。何を送るかを決めるのは農家で、これなら義務的に食べると考えたからだ。
 最初は「うん、いける」と思う。1週間ほどすると慣れてきて、「案外、うまい」と変化する。
 そんな時、すしが食べたくなる。「1回だけ」と、固い意志のもとに、すし屋さんに行く。口にして実感する。「やっぱり白米はうまいな」。すしは白米の力と酢の作用で、思想をフニャフニャに柔らかくしてしまう。
 何度か同じ道をたどり、今はその筋の店で時々、玄米を食べる。「マクロビオテックは思想だから」などと、偉そうに言って。
 牛は2年で大人になる。人間は20年かかって大人になる。成長のスピード因子が違うから、牛乳は人間には適さない。
 そんな、強い思想のもとに、豆乳に切り替える。しかし、牛乳の誘惑は強い。だから、共同購入で運んでもらえれば、義務的に飲むのではないか。玄米と同じパターンである。
 豆乳生活が軌道に乗りかけたころ、温泉旅行に行くことになる。ふろ上がりはビールだが、「温泉は牛乳やろ」と誘われて飲み、「やっぱり牛乳はうまい」と実感しながら、ピンポンをすることになる。
 何度か同じ道をたどり、今は豆腐屋さんで時々、豆乳をの飲む。「思想が好きなので」と偉そうにいいながら。
 マカロニをゆで、最後にシメジと切った竹輪も加え、ざるで湯切りをした後、瓶詰めの粒ウニであえる。玉ネギをおろし金でする。なべにバターを入れて弱火で熱し、すった玉ネギを入れる。小麦粉を少しずつ入れてかき混ぜ、団子状になったら、豆乳を少しずつ加え、ホワイトソースを作る。味付けは白だしとしょうゆ。
 容器にバターを塗り、マカロニ類を入れ、ホワイトソースを注ぐ。上にとろけるチーズを乗せて、オーブンで焼く。粒ウニを使うのは、豆乳に何かプラスしたいという思想の弱さによる。(梶川伸)2019.09.20

更新日時 2019/09/20


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