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編集長のズボラ料理(362) ゴーヤとトマト炒めジェノベーゼ味

トマトは炒めすぎると形が崩れるので要注意

 御座候(ござそうろう)は話題になるお菓子だ。大阪・兵庫の人なら、御座候は少なくても6割は知っている。
 ところが、それ以外の都道府県の人間なら、まず知らない。姫路市発祥のお菓子の固有名詞だからだ。れでも大阪・兵庫人は、日本中の人が知っていると信じて、話題にする。
 先日、遍路仲間が集まった時も、御座候の話だった。このようなお菓子、いろいろな呼び名があり、どれが正解かという、ただ時間つぶしだけのおしゃべりであるはいろいろある。。
 あんこを厚めの皮で包んで焼いているシンプルなお菓子のせいか、呼び方大判焼き、回転焼き、太鼓まんじゅう、今川焼き、そして御座候。一般名詞に混じって、御座候だけが確固たる地位で浮いているではないか。。
 しかし、ガリガリの神戸人がいて、「御座候が正解」と言って、がんとして譲らない。遍路の際に徳島の駅前で「あたり屋」のこのお菓子を食べた。そこで、「御座候がそうなら、あたり屋も呼び方ななる」と対抗する。しょうもないが、御座候1個で話は延々と続く。話題に困った時の御座候といっていい。
 あんこの関連で言えば、別の機会に、「アズキのあんこには、粒あんとこしあんがあるのに、白あんには、粒あんがない」という大発見をし、仲間に聞いてみた。「白あんはインゲン豆が原料。インゲン豆が粒だったら、大きすぎるやないか」。明快だが、分かったような分からないような答で落ち着いた。
 粒あんはアズキで作る。白アズキもあり、それを使えば白あんの粒あんができる。しかし、数が少ないので、白粒あんはあまり作らない。それが正解のようだが、僕らは話題がほしかっただけで、正解・不正解はどうでもいいのだった。
 「こし」と「粒」なら、僕は粒派だ。粒のように形が残っている方が、「食べた」という気を起こさせる。あんこでもそうだから、バジルペーストなら、なおさらそう思う。
 輸入食品を扱う店で、バジルのペースト・ジェノベーゼを買っている。少し葉が残ったイタリア産の瓶詰めを買っていた。使い切ったので店に行くと、いつものものがない。やむをえず、完全にペーストになったものを買った。
 もの足りない。途方に暮れ、そのことを言いふらしていた。すると、遍路仲間が山形県・セゾンファクトリーの「朝摘みバジル・ジェノゼーゼ」をプレゼントしてくれた。何でも言いふらしてみるものである。
 ゴーヤを縦半分に切り、中のわたを取って、半円形に切り切る。トマトをぶつ切りにする。フライパンにオリーブオイルをひき、ゴーヤを炒める。酒をふり、コンソメスープの素か鶏ガラスープの素を少し加える。ゴーヤに火が通ったらトマトを加え、サッとかき混ぜて、トマトにも火が通ったら皿に盛り、バジルペーストをかける。
 僕はバジルの葉が残っているのが好みだが、ペースでも良い。そのことを話題にすれば、もっと良い。御座候論争よりはましだから。(梶川伸)2019.07.23

更新日時 2019/07/23


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