このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(342) はんぺんのウニ団子揚げ

ミツバなど緑のものを加えてもいい

 丼は安いから、何でもひるまずに食べる。これを食べようと思えば、思いを貫き通し、日和ることはない。
 吉野家の牛丼は言うに及ばない。肉大盛りだって平気だ。天丼だって、カウンターの店なら、平常心で食べられる。
 ウナ丼であったとしても、恐れるに足らず。大阪市・天神橋の天五屋へはその昔、よく行った。天満市場のそばで、市場に仕入れに行く人のためだろうか、そのころは夜遅くに店開きし、明け方までやっていた。
 今は平成の終わりだが、よく行ったのは昭和の終わりころだった。ウナ丼のウナギは2切れから4切れまであり、みんな3けたの値段で収まっていた。恐れるに足らず、は実は昔の話である。今は値段がウナギ上りのはずで、恐ろしいから行かない。
 イクラだって大丈夫。大阪市・日本橋の「ぺりーのいくら丼」という店で食べたことがある。変わった店名を気にせず、並ぶのを覚悟すれば、1000円前後で何百粒も食べられる。
 ウニ丼だけは手強い。ウニは高い。大阪市・黒門市場は大阪の庶民の台所だったが、最近は外国からの観光客が大勢押しかけて、惜しげもなく神戸牛や効果な海産物を買って食べる。そのせいか値段が高騰し、先日行ってみると、小さな箱に入って2000円もした。
 これを丼ご飯の上に乗せても、ご飯の半分も隠れない。丼を名乗るからには、せめて3分の2はトッピングで覆わなければならない。もし、全部をウニで埋めようとしたらどうなるのだ。そんな顔をして、素通りした。日和ったのである。
 青森県八戸市の水産物を中心にした飲食・販売施設「八食センター」で、昼ご飯を食べたことがある。「いちば亭」という名前の店だった。この時は覚悟して臨んだ。
 ウニだけだは高すぎるので、イクラ、カニ、イカの中からの組み合わての3色丼を目論んいたから、日和見もいいとことである。さて、店に入ると、その日はウニが入荷していないという。ホッと胸をなで下ろし、イカ・イクラ・カニの3食丼1380円を頼み、回りの客を意識して、表面上は悔しがって見せた。
 生ウニは高いから、日和って瓶詰めのウニを使う。はんぺんをつぶし、瓶のウニを混ぜ、卵も入れてよく練る。ボール状のして表面に小麦粉をつけ。油で揚げる。瓶詰めのウニだから、スーパーで買えば500円もしない。恐れずに足らず。(梶川伸)2019.04.18

更新日時 2019/04/18


関連リンク