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編集長のズボラ料理(793) ブロッコリーとベーコンのバルサミコ炒め

パプリカは彩りなので、好きな色で

 アパートの1階に住んでいて、小さな庭がある。そこで花を育てている。自宅前の小さな空き地も、小さな花壇にしている。
 その花を、鳥さんが食べに來る。この冬はよくやって来た。ヒヨドリやスズメ、時にはイソヒヨウドリも来る。ほかにも来ているの鳥さんがいるかもしれないが、あいさつがないのでわからないが。
 紫色の花が好きな鳥さんがいる。特にジュリアンが好物のようだ。花はいくつも咲くのだが、次々と花びらが食べられ、花芯だけが残る。そのうち、花芯も次々と食べられ、緑の葉っぱだけになる。
 それでもジュリアンは頑張る。しばらくしてまたつぼみをつけ、4つ、5つの花が咲くと、また鳥さんがが訪ねてくる。でも、ジュリアンはまた頑張って3回目の花を咲かせる。やっと、鳥さんはあきらめる。僕にはそんな風に見えていた。
 でも、と思った。それは今年の冬の寒さである。寒さのために食べる実などが少なくて、仕方なく花びらを目指したのではないか。ジュリアンの花の3回目の時は、すでに春になっていて、ほかにも食べ物が出てきたので、そちらに向かったのではないか。
 そう思える節がもう1つある。この冬は葉っぱもたくさん食べられた。ご近所さんか高知市の牧野植物園に行き、小さな花の種をたくさんもらったそうだ。それを渡された種は、カスミソウだという。たくさん芽を出した。葉の形から、アスミソウではないかもしれないと考えたが、花が咲いてみれがわかることなので、僕もご近所さんも大きくなるのを楽しみにしていた。
 ところが、鳥がやってきて、次々と葉を食べてしまった。双葉の柔らかい葉がすきなのだろう。カスミソウ?は土からほんの少しだけ顔を出すだけの哀れな姿になってしまった。
 お気づきだろうが、ここまでされたので、「鳥」を呼び捨てにして書いている。そうでもしないと、ご近所さんに申し訳ない。
 しかし、これも春が救ってくれた。カスミソウ?はまた茎を伸ばして葉をつけてきたが、もう食べられることはなくなった。春の恵みで、おいしいものがあふれてきて、カスミを食べなくても生きていけるようになったに違いないない。そこで、また「鳥さん」と、「さんづけ」に戻した。
 菜食主義の鳥さんにちなんで、今回は緑あふれるブロッコリーを使う。軽く塩ゆでし、一口大に切り分ける。ベーコンとパプリカは細切り。フライパンにオリーブオイルをひき、ニンニクのみじん切りも加えて熱する。ベーコン、ブロッコリー、パプリカの順に入れて炒め、バルサミコ酢で味をつける。
 冬の間、鳥さんの好物の植物のそばには、細い棒を立てたり、CDをぶら下げてキラキラ光らせたり、防御策を取った。カリカリしていたのだ、でも、春は必ずやってくる。それまで待てばよかったと、春になってから思う。(梶川伸)2026.04.08

更新日時 2025/04/08


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