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編集長のズボラ料理(305) ネギの豚肉巻き焼き

ネギは白ネギか緑にかかっている部分がいい

 困った時には、巻いてしまう。これは簡単にできるのに、どこか料理っぽい。
 巻きの代表格は、巻きずしだろう。遊び仲間5人が車に乗って、兵庫県多可町の道の駅「マイスター工房八千代」まで行ったことがある。たかが巻きずしのためである。そのころは大変な人気で、買うのは1人1本限定だった。だから、朝早くから行った。たかが、600円ほどの巻きずしのために。
 それでも、整理券を渡され、手に入れたのは売り切れ寸前だった。それほど巻きずしには引きつける力があるのだろうが、遠くから来て並んでいる人を、「ようやるわ」とあきれて見ていた。見られた方も、僕らを「ようやるわ、5人もそろって」と見ていたようだが。
 巻くのは簡単だが、具を作る下ごしらえは、結構面倒くさい。そのため、家庭ではあまり作らなくなった。僕の家もそうで、その代わりに登場したのが手巻きずしだった。これは簡単。ネタと酢飯とノリを用紙しておけばいい。それが料理かどうかは微妙なところだが、子どもは結構喜んだ。ともかく巻けばいいのだ、きっと。人の手をかりも。子ども手なら、いくら使ってもかまわないし。
 友人に誘われて、東大阪市の居酒屋さんに行ったことがある。目的は巻きだった。酒のあてに春巻き。中身が変わっている。はんぺん、大葉、タラコ。
 これはすぐに、うちの家の料理に組み入れた。それどころか、はんぺんに味をしめ、ご飯とキムチとチーズやら、アスパラとカニカマとチーズやら、ソラマメとエビやら、何でもかんでも巻いて巻いて、の時期があった。意外性を求めてだけのことではあったが。
 巻かれる方はいくらでも意外性を求めることができるが、巻く方は意外と意外性に乏しい。ノリと春巻きの皮と豚肉が3本柱が、巻く側の大半を占めるのではないか。肉なら牛もあるし、鶏もあるが、王道は豚肉だろう。大きめの切り落としか、細長い三枚肉を使えば安いからだ。
 白ネギを適当な長さに切る。豚肉の薄切りですき間なくネギをまいていく。水で溶いた小麦粉を豚肉の端に塗り、接着剤として巻いた肉をとめる。フライパンに油をひき、巻き巻きを転がしながら焼く。しょうゆ、みりん、酒を混ぜたたれを作っておき、巻き巻きにかけて、さらに焼く。適当に切り、中のネギが見えるようにして、皿に盛る。
 豚肉は安い。からよく使う。すると飽きてきてくる。そんな時には巻くに限る。ネギ以外にも何でも。(梶川伸)2018.06.23

更新日時 2018/06/23


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