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編集長のズボラ料理(304) 野菜・ベーコンとゼリーの冷たいサラダ

野菜の種類は自分の好みで

 どうも僕は、「寄せ」に弱い。落語などの「寄席」も同様だ。
 知り合いに講談師がいて時々、大阪市・天神橋の繁昌亭などに行く。2人の接点は大阪・北新地のおでん屋さんで、その店を通じてチケットを購入する。いや、購入せざるを得ないプレッシャーがある。
 さて、寄席に行く。その講談師が得意な出し物の1つに、「鼓が滝」がある。西行が自分の和歌の未熟さを知るという、なかなかいい話である。でも、いい話を寄席で聞くのは1回に限る。僕は2回聞いたが、2回目は先が読めるので、なるべくクライマックスまでは聞かないようにしないと、盛り上がらない。
 古典落語の場合も同じだろう。何回も同じ話を聞いて、毎回も笑うのは根性がいる。繰り返し聞く能力が必要なのだと思う。講談の2回目がアップアップ僕には、その資格も権利もない。
 話がそれたがので、「もう、よせ」という声が聞こえそうだ。本題は寄席ではなく、料理の「ゼリー寄せ」のことだ。特に色とりどりの野菜を使ったものは、食べずに置いておきたい。「もったいないことを」と言われそうだが、心配ない。そんな美しい料理にお目にかかるのはまれで、従って食べずにおいておいた記憶もない。
 自宅で挑戦してみたこともあるが、どうもうまくいかない。特にゼリーで固めた後で切り分ける時、うまく切れずにグチャグチャになる。寄せていたものが離れていくのだから、美しくも何ともない。
 では、どうすればいいのか。答は簡単だ。寄せなければいい。
 ズッキーニとカブをさいの目に切って、塩を少し加えて湯で、軽くゆでる。キュウリ、トマト、パプリカ、ベ-コンをさいの目に切る。パプリカは2色以上使った方がきれいでいい。それらを冷蔵庫で冷やす。
 コンソメスープのもとか鶏がらスープのもとで、濃いめのスープを作る。その際、塩、コショウ、月桂樹な葉も入れる。ゼリーにするため、ゼライスかゼラチンリーフも加え、容器に入れて、冷めたら冷蔵庫に入れて固まらせる。スープゼリーを崩しながら皿に敷き、その上に野菜、ベーコンを乗せる。
 ゼリーがソース代わりだから、スプーンで野菜やベーコンを一緒にすくって自分の皿に入れて食べる。この料理は、「寄せ」の手抜きだから、見た目が美しいだけで我慢する。(梶川伸)2018.06.08

更新日時 2018/06/08


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