押しつけ花物語(32) ツクシの楽しみ
この春は初めて、ツクシの佃煮を作ってみた。自宅から行く散歩道には3個所、ツクシがまとまって顔を出す場所がある。1度は煮てみなければいけないと思ってはいた。でも、ちゅうちょしていた。
フキノトウらやウドやタラの芽やら、春の植物は春を感じさせる食べ物になる。でも、ツクシはどうしてもおいしそうに見えない。茎はパサパサ感があり、頭の部分は胞子が苦そうだからだ。
知識もなく作ってみたら、ツクシのはかまを取るのがこんなに面倒くさいとは考えてもみなかった。一応出来上がって食べてみた。想像していた苦みはそれほど感じず、ちょっと拍子抜けした。
佃煮は初めてだが、ツクシの“押し花”はよく作る。春らしい感じがする。ただし厚みがあるので、押したものを紙に張ると、平面的なほかの花や葉との間でアンバランスが生じる。それがいいとも言えるかもしれないが。(梶川伸)201803.25
更新日時 2018/03/25