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編集長のズボラ料理(277) 鶏とキーウィの甘酢炒め

ピーマンを加えてもよい

 その昔、グレープフルーツは、ブドウの正しい英語だと思っていた。ブドウを英語にすると「グレープ」だが、それは「グレープフルーツ」を略しているのだと思い込んでいた。
 やがてグレープフルーツが柑橘類(かんきつるい)の仲間と知り、頭が混乱した。何で「グレープ」を使うのか。ブドウとは似ても似つかないではないか。何で「フルーツ」を使うのか。フルーツと分かり切っているではないか。2つを合わせれば、「ブドウのような果物」となる。だから、グレープフルーツがブドウの仲間と思っているのは、日本人口の半分を超えるはずだ。これは無知をごまかすための、単なるイチャモンではある。
 そこに、さだまさしが加わるので、混乱に輪をかける。さだまさしらの「グレープ」はブドウなのか。何でブドウみたいなグループ名をつけるのか。「グループフルーツ」の方がよくはないか。こうなると、やけっぱち以外の何物でもない。
 かなで表現する日本名には慣れているが、カタカナ表記の外国語の名前は安定しない。焼き肉の後に食べるものは、何が正しいのか。ビビンバとばかり思っていたら、どうも違うらしい。ビビンパかと思ったら、これも違うらしい。
 やっとのことで、ピビンパにたどる着く。しかし正しく覚えた後も、「ビピンパ」や「ピビンバ」が頭に浮かび、また糸がもつれてくる。そんな時には「ドドンパ」まで思い出し、カオスは深まっていく。
 キーウイなのかキューイなのか。この解明にも長い時間を要した。キーウィと確定したが、本来は「キーウィフルーツ」なのでまた混乱がぶり返す。フルーツだと分かっているから、キーウィだけでいいではないか。みんなそう思っているから、キーウィで通用する。だれも「飛べない鳥」のキーウィだとは思わないないではないか。嫌われるタイプだと、我ながら思う。
 ぶつ切りの鶏肉に塩、コショウをして、カタクリ粉をまぶして油で揚げる。タマネギはざく切りにする。キーウィは大き目に切る。たれとして、しょうゆ、酒、砂糖、酢を混ぜて、だしで2倍に薄める。カタクリ粉を溶いておく。タマネギ、鶏肉の順で炒め、だしを入れてさらに炒め、キーウィも加え、最後にカタクリ粉でとろみをつける。
 パイナップル入り酢豚の変形である。キーウィを使ったのは、冷蔵庫に眠っていたキーウィがあっただけのことで、別に混乱していたわけではない。(梶川伸)2017.09.10

更新日時 2017/09/10


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