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編集長のズボラ料理(270) 鮭と大葉のコロッケ

鮭と大葉のコロッケ

 サケは好きだ。僕の場合、飲む方の酒と間違えられる恐れがあるが、ここでは魚の鮭のことを言っている。酒のつまみにもいい。
 特に塩鮭が好きだ。ここも間違えないように書いておくが、枡(ます)の縁に塩を乗せて飲む酒ではないし。
 ホカホカ弁当屋さんで買う時も、鮭弁が多い。お茶漬けは塩鮭をほぐしたものが、不動の地位を占める。ただ、塩鮭を焼くのが面倒なので、お茶漬けの素で代用する場合が多い。鮭茶漬けだけのものもいいが、4種類がセットになっているものが安いので、鮭が含まれているものを買い、鮭茶漬けから使う。鮭がなくなると、ほかが余っていても、またセットを買う。その時だけ、鮭茶漬けオンリーのものすればよかったと後悔する。
 鮭をほぐした瓶詰めも、冷庫の中には常にある。扉をあけて上から2段目の右側が定位置になっている。なぜ2段目かというと、よく使うので取りやすいからで、「困った時の鮭ほぐし」という位置づけがそうさせる。
 朝ご飯や昼ご飯で、パパッとたべようと思うと、2段目の右側に手がのびる。ご飯に乗せ、ポン酢をかけて食べる。野菜サラダだけでは物足りない時に、鮭ほぐしをかける。ツナの缶詰め派もいるし、家族内ではそれが多数派ではあるが、僕は鮭ほぐしで孤高を守る。
 ただ、鮭ほぐし派には弱点がある。瓶詰めには3分の2しか鮭ほぐしが入っていない。上部の3分の1は空気だけで、瓶の口におしゃれに巻いた紙が、「無の空間」を隠している。それを多数派家族は追及してくる。だから野菜サラダは1つの皿に盛り、各人はツナなり鮭ほぐしを手元に置き、サラダを自分の皿にとって、後は好きなようにトッピングする。
 サラダのツナの代わりもそうだが、鮭は代替品になる強みもある。そこでコロッケ。いつもミンチでは飽きてくる。そこで鮭の登場してもらう。
 焼いた塩鮭がいいのだが、外からでは分からないはずだから、瓶詰めの鮭ほぐしを使う。ジャガイモをゆでてつぶす。そうめんをゆでて5ミリ程度に切る。大場を細かく切る。それらを混ぜて軽く塩、コショウを加え、コロッケの形に成形する。小麦粉をまぶし、溶き卵をつけ、パン粉を衣にして挙げる。
 なぜ、そうめんなのか。以前、テレビか本かでコロッケに使っているのを見たことがある。おもしろそうだから採用しただけで、特に深い意味はなく、使わなくてもいい。ひそれがズボラ龍というものである。(梶川伸)2017.07.31

更新日時 2017/07/31


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