このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(252) 春キャベツのカルボナーラ

卵の黄身は1つか2つを使う

 赤ちゃんはコウノトリが運んでくる、という説がある。しかし、これは信じがたい。兵庫県豊岡市でコウノトリを繁殖させているようだが、数が少なくて、日本中に赤ちゃんを運ぶことになれば、とうてい間に合わないと思うからだ。
 赤ちゃんはキャベツ畑で生まれる、という説がある。これも信じがたい。僕が住んでいるのは半田舎で、15分も歩けば田んぼや畑が広がっている。そこは心地良いので、よく散歩をするが、これまで1度も赤ちゃんを見かけたことがない。
 それに、もし赤ちゃんがいるのなら、それなりの標識があってもおかしくない。学校のそばの道なら、「通学路」の標識が立っていて、車は徐行する。生まれたての子がいるなら、眠りを妨げないように、「お静かに」といった言葉が書いてあるように思うが、それもない。
 キャベツ畑にいるのは、はらぺこあおむしが正解だと思う。sでも、あおむしはチョウチョの子どもではあるが、人間の赤ちゃんではない。それに、はらぺこあおむしは畑だけではなくて、本屋にもいる。以前、万博公園の中に子どもの図書館があって、そこにはとても大きなはらぺこあおむしが住んでいた。
 畑のそばを散歩しながら、「では、キャベツの子どもはどこで生まれるのだろう」と考えたことがある。すると、目の前に芽キャベツがあった。「これがキャベツの赤ちゃんかあ」と感動して見入ってしまった。
 芽キャベツは伸びた茎の横から生まれる。茎いっぱいに小さな玉のような赤ちゃんがたくさんついていて、ブドウの房のように見える。きっとこれが成長して、キャベツの親になるのだろう。ただし、成長の過程を確かめたことはないので、ちょっと自信がない。
 さて、春のキャベツはみずみずしい。だからできれば生の状態で食べたい。キャベツは細長い短冊に切り、塩を軽くふり、しばらく置いておく。しんなりしてから塩抜きをし、水分も絞った後、軽くコショウをふる。卵の黄身、生クリーム、牛乳をよく混ぜて鍋に移し、とろけるチーズと一緒にしてゆっくりと熱する。チーズが溶け、ドロッとなったら、キャベツと和える。きっと、はらぺこあおむしもムシャムシャ食べるに違いない。(梶川伸)2017.04.01

更新日時 2017/04/01


関連地図情報

関連リンク