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編集長のズボラ料理(241) すりおろしジャガイモ入りハンバーグ

ハンバーグの中身もソースも、いくらでも変化させることができる

 ハンバーグはなぜ人気があるのか。その答えは簡単で、安上がりだからだ。ミンチは安い。
 子ども2人が食べ盛りのころ、ギョウザとハンバーグはよく食卓に乗せた。どちらもミンチが主役である。ミートローフもたまに作ったが、これもミンチつながりである。
 ギョウザは準備が大変だった。僕は合い挽きミンチを使うが、量を増やすためにたくさんの野菜を使う。ハクサイ、キャベツ、タマネギ、ニラ、ネギ、シイタケ。野菜が多いのであっさりしている。あっさりしているから、たくさん食べる。この循環で、たくさん作るハメになる。
 せっせと野菜を刻み、せっせと混ぜて、せっせと皮に包む。1人あたり30個。その代わり、ギョウザ以外のものは作らない。作れない。作る気力もない。皮がご飯代わりという位置づけだった。
 焼く時も大変だった。電気鍋を使い、せっせと焼く。食べるのはこたつ兼用の座卓。電気鍋を乗せると狭くなるので、座卓に近いテーブルに配置する。鍋で焼くのは、1度に25個くらいが限度で、焼き上がると大きな皿に入れて座卓に運び、食べている間にまた焼く。
 ギョウザとなると、なぜか食べるスピードがアップする。だから、座卓の上で焼きながら食べるといった悠長なことはしていられない。テーブルの上で焼いて運ぶにしても、ゆっくりしていると、座卓の上に何も食べるものがなくなる空白時間が生じてしまう。すると、家族が僕の方を見て、暗に早く焼くようにプレッシャーをかける。だから僕は、口の中にギョウザ2個を突っ込み、ビールの入ったコップを左手で持って飲みながら、ともかく焼きまくる。
 ギョウザに比べれば、ハンバーグは楽なものだ。材料も多くはない。問題は量である。家族もミンチが安いのを知っているから、遠慮というものをしない。だからたくさん作るという循環になる。その点はギョウザと変わらない。
 どちらかというと、ハンバーグは小ぶりにする。大きくて分厚いと、火が通りにいからだ。小ぶりだから、1人あたり2個の計算をする。その通りにするかというと、そうではない。3個ずつ作る。2個食べ終わると、家族は「もう、ええわ」と言う。その後は、次のように展開する。「どうせ作ったのだから食べたら」「そうやね」
 結局は3個食べる。「もう、ええわ」は形作りである。以下は、儀式みたいなものだといえる。
 ハンバーグはしょっちゅう食べていると、変化がほしくなる。煮込みハンバーグにしたり、チーズや目玉焼きを乗せたり、大根おろしをかけてみたりと。友人はニンジンやジャガイモを使うと言うので、それを参考にして、今回はジャガイモを使うことにした。
 僕は合い挽きミンチを使う。タマネギをみじん切りにする。ジャガイモをすりおろす。それら一緒にして、卵を割り入れ、よくかき混ぜる。パン粉、牛乳は使わない。味付けは塩、コショウ、ナツメグ、パプリカ。ジャガイモを入れた部、塩以外はやや強めに味をつけた方がいい。コンソメの素と野菜のくずでスープを作っておく。
 フライパンにオリーブオイルをひき、ニンニクを薄く切って弱火で炒め、ニンニクオイルを作り、それでハンバーグを焼く。火が通りにくかったら、一時ふたをして蒸し焼きにする。ハンバーグを取り出した後のフライパンに、スープを入れ、ケチャップ、ソース、バター、赤ワインを入れ、好きな香辛料も加えて少し煮詰め、ハンバーグにかけるソースを素早く作る。
 すったジャガイモを混ぜているので、ネットリした食感がある。いつもとはちょっと違っていていい。(梶川伸)2017.01.30

更新日時 2017/01/31


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