このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(209) 干し大根のマヨネーズ炒め

マヨネーズ以外の味つけは好みで

 僕は大根は大好きだ。それは生の大根のことを言っている。
 千切り大根にしょうゆをかけ、カツオ節を乗せてよく食べる。69歳現在、食べ物の中ではご飯に次いで2番目に好きだ。
 こだわりはある。切り方は、刺し身のケンよりもかなり太く、細い拍子切りよりもさらに細くなければならない。食べる時も、カツオ節を乗せてからしょうゆをかけるのは、邪道だと確信している。それほどの大根好きだが、生以外になるとからっきしである。
 「何か特許を取って、老後は楽しく遊ぼう」という仲間がいる。どんな特許を取るかを話し合うために、月に1回のペースでメンバーの家に集まっている。知恵が出ない時は仕方がないので、酒でも飲んでいる。いや、出たためしがないので、毎回楽しく老後を遊んでいる。
 先日の遊びは、燻製(くんせい)作りだった。メンバーの1人が缶を縦に3つつないで、燻製製造機をこしらえた。作り方はだれも知らなかったが、燻製の本を持っている者がいた。ただ、その本は友人にもらったものだといい、かなり古くて少なくとも20年はたっている。大丈夫なのかと心配したが、茶色の燻製色をしていたので、それに頼ることにした。
 ソーセージ、ゆで卵、サケ、豚の三枚肉などを持ち寄った。それなりに燻製になった。メンバーの1人がクリームチーズを買ってきて吊るしたが、これはすべて溶けて落ちた。
成功なのかどうか、よく分からなかったのは、大根の漬け物だったた。秋田名物「いぶりがっこ」になるぞ、盛り上がったが、どうもうおかしい。いつまでたっても、秋田美人のように白いままだ。なんでやろ。大根の生には強い僕も、お手上げで、結局その回も知恵は出ず、楽しい老後だけに終わってしまった。
 友人から干し大根を切ったものをもらった。切り干し大根ではない。太さ(細さ)が切り干しの4~5倍はある。その太さは初めてだったのが、生の専門家の弱点である。
 1度、切り干し大根と同じように煮てみた。水に浸しておいてから、火にかけたのだが、どうも固い。なぜなのか。干し大根は専門外だからは分からない。第一、その固さが普通なのかどうか、あるいは柔らかくなるのかどうかも、知識がない。
 そんな時には、居直る以外に手はない。2度目は固くてもいいじゃないか、と発想の転換をした。特許取るための思考方法が、こんな時に役立つ。
 干し大根を水に2時間ほどつけた後、水分を切る。マヨネーズをからめて熱したフライパンに入れ、梅干しのみじん切りと少量の白だしを加え、ゆっくりと炒める。
 口にすれば、やはり固い。言い換えればシコシコしている。この作り方でいいのかどうか分からないが、そんなもんだと思って、生大根派は食べる。(梶川伸)

更新日時 2016/08/31


関連地図情報

関連リンク