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編集長のズボラ料理(206) ピーマンのマヨネーズ・チーズ焼き

チーズが少し焦げて茶色になったくらが良い

 一時期、「マヨラー」なる造語がはやったことがあった。歌手の安室奈美恵さんのことを「アムラー」と言った時期より、少し後だったような気がする。
 「マヨラー」とは、マヨネーズ好きの人ことを指した。僕はどちらかというと和食派だったから、どうも洋っぽいこの言葉は、かなりの反発を覚えた。
 野菜サラダなら、マヨネーズやドレッシングよりも、しょうゆをかける方が好きだ。目玉焼きはソースかしょうゆか、と聞かれればしょうゆと答える。ステーキも、ソースとマスタードより、しょうゆとワサビ。お好み焼きだって、ソースではなくしょうゆをかける。ともかく、しょうゆがいい。しょうゆうことだ。
 ついでに顔も、ソース顔よりもしょうゆ顔ときている。これもマヨラーなどがはやった時期の言い方だったのではなかったか。
 偉そうなことを言ってはいるが、1つだけ弱点がある。僕はポテトサラダが好きなのだ。これはマヨネーズを使う。しょうゆではどうしても、ポテサラにはならなから不思議だ。
 1つ歯止めが外れると、ズルズルと流れていくのが、僕の傾向である。マヨネーズと明太子を混ぜ、それをタコにまぶし、炒めることがある。マヨネーズを油代わりにするので、マヨネーズとして食べるわけではないから問題はない。
 それでも「洋テイストではないか。どこが和の人間やねん」とイチャモンをつける人がいるかもしれない。そんな人には、ちゃんと答を用意してある。「タコと明太子は和風。マヨネーズだけ洋風。この料理の3分の2は和風」
 同じ明太子マヨネーズを作り、野菜スティックにつけて食べることがある。野菜は大根、ニンジン、セロリ、アスパラガス。後の2つは洋風なので、和洋の割合は半々となる。憲法改正の発議ではないので、3分の2はいらない。つまり和風とは、和テイストが全体の50%維持すればよい。僕なりの考えた末の定義づけだから、自信を持っている。
 実は今回、マヨネーズを使ってしまう。ピーマンのへたを取り、縦半分に切って、種は取り除く。ピーマンの内側にマヨネーズを塗る。その上にとろけるチーズを乗せ、さらに粉チーズとパン粉、クレイジーソルトをふり、オーブンで焼く。
 何から何まで洋テイストになってしまった。罪滅ぼしに、次に怒のも焼きを食べに行った時は、マヨネーズだけは断わろう。(梶川伸)

更新日時 2016/08/15


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