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編集長のズボラ料理(176) 鶏の紅ショウガから揚げ

紅ショウガはたっぷり目の方がいい

 「トリカラ」は、日本人全人口の何割くらいに通じるのだろか。居酒屋さんに行って、トリカラを頼む時に、ふと考える。
 トリカラとはもちろん、鶏のから揚げのことだ。「もちろん」と書くこと自体、一般化しているあかしだろう。居酒屋さんで、トリカラが通用しなかったことはない。
 つまみの名前で、略した言い方はいくつもある。しかし、知名度や通用度では言えば、トリカラは群を抜いているような気がする。当然ながら、「コーンマヨ」よりはよっぽど上だ。「イタワサ」はそれ自体、僕らのような年寄りし頼まないから、一般的とは言い方。「ポテサラ」はかなりいい線いくが、それでも差は歴然としている。
 ビアホールやビアガーデンに行くと、トリカラは定番メニューで、頼む方も頼まれる方も、安心感さえ抱かせる。味も、どの店で食べても安定している。となると、ちょっと変わったものがないかと、欲が出る。
 自宅の前がイオンだから、しょっちゅうのぞいてみる。暇な時には、1日1回ではすまない。そのために、わが家では行く回数について、単位が決められている。1回の時は、「ワン・イオン」と言う。2回になると「ツー・イオン」、3回は「スリー・イオン」。
時には「フォー・イオン」もある。安売りの火曜市は混雑するので、先日は開店直後に食料品売り場に行った。しばらくして、縮小コピーをするものが出てきて、また行った。午後から出かけることになり、イオンの中を通って駅に行った。帰りもイオン経由だから、計4回となる。
 自宅前のイオンは午後11時に閉店する。夜遅く帰宅する時には、必ず食料品売り場を通る。総菜や弁当、すしなど「できあい」の食べ物がどのくらい売れ残っているかを見るのがおもしろいからだ。たいてい、陳列棚は空っぽになっている。上手に売る尽くすものだ。
 食料品売り場の手前に、惣菜の量り売りの店がある。もちろん、そこも横目で見る。トリカラはちゃんと売り切っただろうか、と心配してあげる。その時、トリカラの横に目が止まった。トリカラには違いないのだが、紅ショガの細切りが衣に混じっているではないか。変わったトリカラを求めていたので、すぐにそのアイデアはいただいた。
 鶏肉をたれに漬けてもみ込む。僕の場合は、しょうゆ、だししょうゆ、みりん、酒、すりおろしたショウガとニンニク、卵の黄身を混ぜたもの。鶏肉はキッチンペーパーで水分を取り、小麦粉をまぶす。小麦粉にコーンスターチを少し加え、固めに溶く。細切りの紅ショウガもたくさん入れて衣にし、油で揚げる。
 この作り方でいいのかどうか、はっきりとしない。紅ショウガから揚げは、ながめただけだったからだ。買っておくべきだった。夜遅いので、値下げもしてあったので。(梶川伸)201603.12

更新日時 2016/03/12


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