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ちょっと味見を(296) 日本酒「近江商人」

近江商人

 滋賀県を訪ねた際、宿で仲間と飲んだのは、「近江商人」という地酒だった。五個荘、近江八幡と、近江商人を輩出した地を回った後だったので、うってつけの酒である。
 東近江市の喜多酒造の酒だった。「喜楽長」の銘柄で知られる蔵だ。喜楽長には思い出がある。
 大阪市の大阪ドームのそばに、「御酒蔵(さかぐら)」という居酒屋さんがあった。日本酒大好きな大将がいて、日本酒に関する知識をいろいろと教えてもらった。例えば、「うまさは甘さだ」などである。その大将が、喜楽長の酒蔵に一緒に行こうと誘ってくれた。
 行く日も決まり、楽しみにしていたら、阪神大震災が起きた。店は被害を受け、こちらは取材でてんてこ舞いとなり、酒蔵見物は立ち消えになってしまった。やがて大将は亡くなった。震災から20年の年の、喜多酒造の酒を味わうことに、感慨深いものがあった。(梶川伸)2015.12.05
 

喜楽長

更新日時 2015/12/15


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