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編集長のズボラ料理(148) 白身魚のトマトスープ煮

トマトの皮をむいた方が良いが、面倒ならそのままでも

 「白身魚のナンチャラ」という料理を、本で見ることがある。「ナンチャラ」と書いたのは、洋風のカタカナ名前のことが多く、覚えられないからだ。
 少なくとも塩焼きだとか、煮つけだとか、日本風のおかず名ではない。何となくおしゃな料理名である。
 「白身魚のナンチャラ」は、店のメニューでも見かけることがある。たいてい、店内はこじゃれている。「白身魚」の持っているイメージが関係しているような気がする。
 和食の場合は、「白身」と言えばすむ。たいていの日本食は、魚中心だから、わざわざ「魚」と付け足さなくていいのかもしれない。
 ただ、すし屋さんで「白身」といって頼む人は、たいてい気取っていたり、粋な感じを醸し出したりする。白は気品のある色だから、頼む方も意識しているからに違いない。
 そこで、たまには家でも白身魚を使って、上品な食卓にしようと思う。そこで、スーパーに白身魚を買いに行く。ところが、ない。正確に言うと、この時期には種類が少ないということだが。
 タイはある。でも、食べる機会が多いので、できればタイ以外にしてみたいのだ。それなのに、ない。なぜだろう。
晩秋から冬になれば、鍋ものに白身魚はよく使うから、スーパーにも何種類か並ぶ。しかし、「今ばもう秋」程度の初秋。まだ、時期尚早なのかもしれない。
 鍋ものは、寄せ鍋にしても水だきにしても、白身魚を鍋に入れるだけのことである。料理といえないほどの料理だから、気軽に白身魚を使うことが出来る。しかし、鍋に適さない時期は、「白身魚のナンチャラ」を作らなければならない。ハードルが高いので、スーパーに置かない。これがスーパー通いで発見した「白身魚の冬と夏の方程式」である。
 白身魚のカレイの切り身を見つけた。コンソメスープの素か鶏ガラスープの素でスープを作り、トマトの小口切り、月桂樹の葉、塩、コショウも加える。スープの量は少なくし、その中にカレイを入れて、スープをかけながら煮込む。「ズボラなナンチャラ」である。(梶川伸)2015.09.22

更新日時 2015/09/22


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