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編集長のズボラ料理(144) ナスの揚げ焼きトマトソース

トマトがジュース状になりすぎると、ナスがベチベチャに」なる

 「悪い事は続く」と言うが、良い事も続くことがある。でも、食べ物の好いことが続くと、大変な事になるケースもある。
 広島の親類が、トマトを段ボール箱で送ってくれた。量が多いから、近くの人にもおすそ分けをした。
 トマトは好きだから、こんな好い事はない。せっせと食べる。そのままで食べるし、トマトソースにしても食べる。でも、連日だとあきてくるから、「休トマト日」もつくった。
 トマトと一緒に、ナスも少し入っていた。ナスも好きだから、こんな好い事はない。焼きナス、オイスターソース炒め、漬け物。すぐに無くなった。
 そんな時、隣のおばあちゃんが、ナスを持って来てくれた。子ども家庭菜園で作っているそうで、トマトのお礼だという。また、ナスの日が続くことになったが、「休ナス日」も当然つくった。
 やがて、第2の波がやってきた。毎日新聞時代の同僚が、定年後に畑を始めた。収穫すると、送ってくれる。予感はあったが、その時がやってきた。また、段ボール箱である。今回は主役はなく、ナス、ゴーヤ、ピーマン、キュウリ、シシトウが競い合って入っていた。良いことは続くもんだ。どれも好きだから、うれしい限りである。
 しかし、問題を抱えていた。お隣さんのナスが残っている。頑張らねば。休ナス日など、実施している場合ではなくなった。
 僕は朝の涼しい時に散歩する。半田舎に住んでいるので、田んぼも近くにある。背が高くなった稲をカメラに収めていると、農家の奥さんに声をかけられた。「トマト、持っていきなさい」
 トマトは好きだから、「ありがとう」と言って、善意に甘えることにした。奥さんは納屋に入っていって、トマトを持ってきた。見ず知らずの人の、ありがたい善意である。良いことは続く。
  しかし、問題があった。トマトは手提げの紙袋に入っていた。家まで持って帰る際、何度も持ち手を変えるほど重かったのだ。しかも、冷蔵庫には親類のトマトが少しだけだが残っている。その時点で、「休トマト日」の廃止を宣言した。「休ナス日」の同様に。
 ナスを輪切りにして塩、コショウをふり、ビニール袋に入れる。小麦粉とコーンスターチを混ぜて、ビニール袋に入れ、袋を振りながらナスにまぶす。トマトは皮を湯むきするか包丁でむいた後、細かく切る。ベーコンを短冊状に切っておく。フライパンにオリーブオイルを多めにひき、ニンニクの薄切りを入れてニンニクオイルを作る。ナスを入れて、両面を油で揚げるような感じで炒める。表面がカリカリしていると良い。
 ナスを取り出したフライパンにトマト入れ、コンソメスープの素か鶏がらスープの素をふり、フライ返しでつぶしながら炒める。皿に盛ったナスにトマトを乗せてでき上がり。(梶川伸)

更新日時 2015/08/16


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