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編集長のズボラ料理(128) 大葉のミニお好み焼き

大場のあっさり感がミソ

 酒飲みは楽だ。アルコール類さえあれば、別にどこでもいい。
 定期的に用事で、堺市に行く。そこで一緒になる友人がいる。お互いにJR堺市駅から電車に乗って帰る。駅が近づくに従って、何度か目が合うようになる。そうなると、駅の手前に商業ビルへと自然に入っていく。確認し合うこともなく、エスカレーターに乗る。すると、全自動方式で4階のサイゼリアに2人を運んでくれる。
 まず1杯はビールを飲む。その後はワインをデカンタで頼む。500ミリリットルで400円ほどだから、心配することはない。赤と白を同時に持ってきてもらう。2つ並んだところで幸せ笑顔を見せ合い、あとは勝手にグラスについで飲む。
 つまみはフォカッチャを入れることにしている。確か150円くらいと安いからだ。この組み合わせは、よく通ったわずか6席のギョウザ屋の大将に教えてもらった。
 酒を飲まない人は困る。新聞記者の現役時代、コンビを組んだ後輩が、一滴も酒を飲まない人間だった。「打ち合わせに行こう」と言うのが、居酒屋に行くわけにもいかず、妥協して喫茶店に行く。しかし、コーヒーではいいアイデアなど出るわけがない。だから打ち合わせは、何の成果もなくすぐに終わる。
 酒を飲まない若い後輩女性の場合は大いに困った。「打ち合わせに行こう」と持ちかける。すると、平気で言う。「ケーキバイキングの店ができましたよ」。ケーキはたくさん出ても、アイデアなんか出るか。
 友人2人がそれぞれ奥さんを連れて自宅に来たことがある。酒のあては作った。とはいっても、友人は酒飲み仲間だから、大した用意をしなくてもいい。問題は奥さんだ。案の定、酒を飲まない。男グループが1杯目のビールを飲み始めたとたん、一応作っておいたホタルイカと菜の花のパスタをバクバクと食べ始め、お腹に太るものはすぐになくなった。
 そんな時に、すぐに作れるのが小さなお好み焼きである。具はキャベツのみじん切り、小さく切ったベーコン、大量の細かく切った大葉。生地は小麦粉、だし、卵で用意する。大葉が入っているので、そのことで奥さん組とも話ができる。ただし、酔っぱらって作るのは、しごく面倒くさい。だから、酒飲みの方が断然いいのだ。(梶川伸)2015.05.02

更新日時 2015/05/02


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