押しつけ花物語(18) ツクシの意外性
ツクシを見つけると、はしゃいでしまう。ツクシの魅力なのか、春を待ちか兼ねた喜びなのか。
以前、西国十二番岩間山正法寺(大津市)に友人とお参りした。小高い所にある寺から歩いて下りていくと、ツクシがたくさんはえていた。すると、都会人の友人はツクシ採りに夢中になった。家に持ち帰って作った煮物は、ほんのわずかではあっただろうが。
半田舎の、山を削って造った団地に住んでいる。大きなイオンモールがあり、京阪奈学術研究都市の一部の研究施設も並び、マンションや住宅も林立している。ところが、昔の名残で、春になると住宅街にツクシが顔を出す。
摘んでいると、通る人が意外な顔をする。こんな場所にツクシが生えているとは思わないのだろう。毎年、それを押しつけ花にする。ただ、摘むことができる期間は短い。春は始まると、すぐに春本番になってしまう。(梶川伸)2015.03.22
更新日時 2015/03/22