押しつけ花物語(16) 春は菜の花
お遍路さんの白衣と菜の花。できれば青い空も。その組み合わせは、四国の春の風物詩となっている。
菜の花の黄色は明るくて、春の喜びに満ちている。歩き遍路にとっても、3月、4月は良い時期で、数が増える。山頭火が「ひょいと四国へ晴れ切っている」と詠んだ、春はその気にさせる。歩き疲れても、菜の花を見ると、何だか浮き浮きしてくる。
以前、65番三角寺(愛媛県四国中央市)に登った際、時ならぬ寒さで、菜の花の上に雪が積もっていた。白がもう1つ加わって、喜びが増した。
自宅の近くには田畑が広がり、菜の花も輝く。天気の良い日はなおさらで、その黄色は金色よりも鮮やかに。(梶川伸)2015.03.17
更新日時 2015/03/17