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豊中・池田の文化財② 摂津能勢の民家

旧泉家住宅は、1960年に移築された

 豊中市・服部緑地の中の日本民家集落博物館には、国の重要文化財が3棟ある。その1つが旧泉家住宅。その名前ではわかりにくいので、「摂津能勢の民家」と表示している。
 江戸時代初期、17世紀の建築と推定される。「能勢から丹波にかけての古民家の特徴(摂丹型)がよく出ている。摂丹型で残っているものでは最古」と、博物館学芸企画課長の山城統さんは説明する。入母屋造茅葺(いりもやづくりかやぶき)で、屋根が低い所まで伸びている。
 屋内は二分されている。入って左手は土間が奥まで続き、馬屋や炊事場になっている。右側は部屋で、なんど(寝室)、だいどこ(居間)など。だいどこには、いろりが土間近くに切ってあり、土間で仕事をしている時に、履き物を脱がなくても座れるように工夫されている。
 茅はススキのことで、屋根は約50センチの厚さでふいてある。奈良県・曽爾(そに)高原と和歌山県・生石(おいし)高原のススキを使い、2010年度にふきかえた。屋根にはステンレスの線が張ってある。カラスがススキを取っていくのを、防ぐためだとか。(梶川伸)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」58号(2013年12月12日)

日本民家集落博物館 旧泉家住宅 摂津能勢の民家 摂丹型

更新日時 2013/12/06


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