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地域医療を聞く④ 本間太郎・豊中緑ヶ丘病院院長

小学生2児の父でもある本間さん。最近クラシック音楽を聴くようになったのは、子どもがバイオリンを習い始めたから

 豊中市西緑丘1、豊中緑ヶ丘病院院長の本間太郎さんは、一部の患者から「タロちゃん」と呼ばれている。豊中生まれで豊中育ち。現在53歳だが、子どものころから知っている地域のお年寄りにとっては、本間さんは院長になった今でも可愛いタロちゃんだ。
 本間さんは院長職のかたわら、豊中市内の病院や診療所が連係している組織「豊中市病院連絡協議会」(以下豊病協)の副会長を務めている。豊病協には看護部長部会や栄養士部会、薬剤師部会など、それぞれの専門分野に分かれて定期的にミーティングを開いているが、意外にも院長部会というものがなかった。「それではダメだ」という意見があがり、1年半ほど前に院長部会が始まった。年に数回、部会を開いて病院間で情報交換をし、問題点や改善点などをまとめて医師会に提言することもある。本間さんは院長部会で司会として会のまとめ役を引き受けている。「院長部会は同世代の人も多く、地域医療に対する思いなども似ている。(経営に)ガツガツしすぎる人もいないので、やりやすいですよ」
 本間さんは、高齢化している社会で病院・診療所の連携はますます重要になると実感している。「高齢者はちょっとしたことで入院するケースが多い。そして入院が長引くと歩けなくなる」。退院後のリハビリや自宅療養など、地域の小さな病院や診療所の役割は大きくなる一方だ。「ひとつの病院で全ての医療はまかなえない。各病院の得意分野を活かして地域の中で役割分担をしなくては」。豊中市は50年前に豊病協が発足し、病院間の連携は比較的強い地域だ。それでも本間さんは「病院間をオンラインで結んでいるところもある。お金やセキュリティーの問題はあるが、今後の目標です」と語る。
 豊中緑ヶ丘病院は一般病院だが、本間さんが消化器外科医なこともあって消化器系に強い。胃カメラやCT、内視鏡検査から手術まで対応する。特に肛(こう)門疾患(外・内痔(じ)核症、痔ろうなど)の治療は術後の痛みが少なく、入院期間も比較的短いと評判で近隣の病院から患者を紹介されることも多い。病院の今年の目標は「プロフェッショナルに徹する」。技術や知識ばかりに頼るのではなく、患者を家族と思い、より満足できる医療を提供することだという。(早川方子)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第48号(2013年2月14日)

更新日時 2013/02/11


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