子どもと楽しみたい絵本 てくてく編⑦
【ろけっとこざる】作:H・A・レイ 訳:光吉夏弥 (岩波書店)
末っ子は主人公ジョージの大ファン。「ろけっとこざる」は1番のお気に入り。何でも興味を持って、行動するジョージは息子にとってヒーローです。滑り止めの大学受験に失敗して、残りの大学入試も終わったその日、彼は疲れて、リビングのいすに腰掛けていました。第1志望は競争率が高く、滑り止めを落ちたことで、合格なんて夢のまた夢。そんな彼に、私は思わず、「絵本でも読もうか?」と声をかけていました。我が家では、末っ子が高校生になる前まで、読み聞かせをしていたので、励ましになるかと思ったのです。間髪いれず返ってきた言葉は「こんな日は、ろけっとこざる!」。そして、読み終わった時、彼の疲れていた顔が、なんだかほっとした、やりきった満足感いっぱいの顔に変わっていました。その顔を見て、私もなんだか癒されました。おまけに、第1志望に合格。学科の名前は「航空宇宙工学科」。冗談ではありませんよ。(絵本を楽しむ会・M)
更新日時 2012/02/29